退職金制度がない会社に勤めている場合の老後のお金

公開日:2015年1月27日 最終更新日: 2015年9月24日

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

退職金は老後の生活費において大きな柱となりますので、大切に運用をして間違っても損失を出さないようにする必要があります。

退職金がある人は退職金を上手に活用することで老後の生活費の足しとすることができますが、退職金制度がない企業に勤めている人はどうすれば良いでしょうか。

最近では終身雇用も崩れ、今の現役世代の人が定年退職になる頃には退職金をもらう人がさらに少なくなってくると思いますので、退職金がない人が老後のお金をどのように準備すれば良いのかを見ていきたいと思います。


[スポンサーリンク]

退職金制度がある企業の割合

厚生労働省が調査・公表している企業規模ごとに退職金制度がある企業の割合は以下のようになっています。なお、ここでいう退職金制度とは一時金の退職金のほかに、企業年金などの退職年金制度も含めています。

■退職金制度がある企業の割合

従業員数 割合
全体 75.5%
1,000人以上 93.6%
300-999人 89.4%
100-299人 82.0%
30-99人 72.0%

出典:厚生労働省

全体では退職金制度がある企業の割合は75.5%となっています。ただし、従業員数別に見てみると1,000人以上の大企業では93.6%とほとんどの企業が退職金制度がありますが、従業員数が少ない企業になるほど退職金制度がある割合は低くなってきます。

退職金の金額でも大企業と中小企業では違いがありましたが、そもそも退職金制度がない中小企業が3割近くあります。

中小企業で働く人にとっては必ずしも退職金がある状況ではないということがわかります。


退職金制度がない会社に勤めている場合

  • 家計を見直す
  • 公的年金の上乗せなどを検討する
  • 確定拠出年金などの他の年金制度への加入を検討する
  • 資産運用を行う

それでは退職金がない会社に勤めている人はどのように老後のお金を準備していけばよいでしょうか。

退職金制度がない以上必要なお金は自分で準備をする必要があり、老後資金の準備は「どうやってお金を貯めるか(拠出するか)」と「どうやって運用して増やすか」の2点を意識する必要があります。

すでに必要なだけの貯金ができているという人であれば運用方法を検討していけばよいですが、今の貯金ペースではかなりの利回りで運用をしていかないといけないということでしたら家計を見直し必要なお金を毎月貯められるようにしていきましょう。

家計を見直す際はまず家賃や保険料、情報通信費などの固定費を見直し、それでも足りない場合は食費や被服費、おこづかいなどの変動費を見直すようにしましょう。


まずは公的年金の上乗せを検討する

毎月ある程度のお金を準備することができるようになったら、お金の運用先を検討しましょう。

運用先というと株や投資信託、定期預金などにお金を預けるというイメージが強いですが、まず検討したいのは公的年金の上乗せ制度を活用することです。

公的年金への拠出はほとんどが社会保険料控除により全額所得控除を受けることができます。

つまり拠出した金額分については税金がかからないということになるので、課税された後に投資をする株や定期預金などにお金を預けるより有利な場合が多いです。仮に所得税、住民税の税率が20%の人であれば2割もお得に投資をすることができることになりますからね。

支払った金額に対して増える年金の額が大きいお得な制度も多いので、まずは公的年金制度で活用できるものがないかを検討するようにしましょう。

公的年金の上乗せ制度はいくつかあり、別の記事で紹介していますのでぜひ参考にしてください。

また、公的年金の上乗せというわけでもありませんが、これまで国民年金の未納期間や免除期間がある方はさかのぼって保険料を納めることで年金を増やすことができます。

会社員の人は厚生年金に加入していて未納期間がある人はほとんどいませんが、学生時代や会社員として働いていない時代の国民年金未納期間がある人は保険料を支払うと、支払った金額は社会保険料控除の対象となります。


確定拠出年金は節税メリットいっぱいの「老後専用積立金」

公的年金の上乗せを検討したら次は確定拠出年金を検討しましょう。

老後資金の準備方法として確定拠出年金(401k)は税制優遇がありかなり有利に準備することができるのでおすすめです。個人型の確定拠出年金に加入できるようであれば加入を検討されると良いでしょう。

確定拠出年金は自分で運用指図をしていく必要がありますが、掛金は全額所得控除され運用益も非課税となる節税メリットが最強の商品です。原則60歳までは年金を受け取ることも途中解約することもできませんので、拠出したお金は老後専用の積立金となります。

老後のためのお金は途中で引き出すことはないという人であれば積極的に活用したい制度といえます。


資金の性格を考えて運用する商品を選ぶ

公的年金の上乗せや確定拠出年金をフル活用するとかなりの金額を準備することができますが、それでも足りない人ははじめて定期預金や株、投資信託などでの資産運用を検討しましょう。

老後の生活費を準備しようとしている人はリスクが低めの商品で運用をするのが定石ですが、老後までの期間が長い人はある程度リスクの大きな商品を長期で保有して短期の収益のブレの影響を受けずに期待リターンを狙うという戦略を取ることもできますので、元本保証にこだわらず幅広に運用商品を検討しても良いですね。

資産運用の代表格である株式投資については、当サイトのグループサイトで株のはじめ方について紹介していますので、興味のある方は参考にしていただければと思います。


早めに準備を始めることが重要

退職金がある人は、老後の心配をしていたけど退職金があったから意外にゆとりがあったということがありますが、退職金がない人はそのようなことはないのできちんと計画的に老後のお金を準備していく必要があります。

退職金がない会社に勤めている人ほど老後のお金を多く準備する必要がありますので、早めに準備を始めたり、税制優遇のある商品で運用したりして効率的に老後資金を準備するようにして、安心した老後を迎えられるようにしましょう。


自分にあったお金の相談相手を見つける

老後のお金に対する不安を解消するには専門家に相談するのが一番で、特定の金融機関に属さないFPは大切なお金のことを相談する相手にぴったりです。

住んでいる地域や年齢、家族構成から自分にあった相談相手を探すことができるので、簡単に無料相談ができます。

FPを探して無料相談

サブコンテンツ

このページの先頭へ