夫の職業によって変わる専業主婦の年金と年金を増やす方法・減らさない生き方

公開日:2014年10月28日

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日本の公的年金は働き方によって異なるので、各職業ごとに年金がどうなるのか理解しておく必要があります。

そこで当サイトでは、職業や働き方別の年金を紹介していますが、中でも本記事では、専業主婦の年金について紹介します。

なお、最近は女性の社会進出も進んで夫が働かずに専業主夫となることがあります。その場合年金は専業主婦と同じ扱いになりますので、専業主夫の方は専業主婦を専業主夫と、妻と夫を読み替えてください。


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専業主婦の年金の基本(公的年金)

専業主婦の年金は、夫の職業によって変わります。大きく夫が厚生年金に加入する会社員や公務員の場合と、夫が自営業者である場合に分かれます。

夫が会社員、公務員の場合

  • 夫が会社員、公務員の専業主婦は第3号被保険者となる
  • 第1号被保険者と同じ老齢基礎年金が受け取れる
  • 保険料を納める必要はない

夫が厚生年金に加入する会社員や公務員の専業主婦の人の場合、第3号被保険者となります。

ただし、パートの年収が130万円以上あったり、労働時間が正社員の4分の3以上あると厚生年金の対象になり、第2号被保険者となります。

第3号被保険者は保険料を納める必要はなく、受け取ることのできる年金は老齢基礎年金となり2014年度であれば年額772,800円がもらえ、支給される年金は夫が加入する厚生年金制度が負担します。

また、夫が加給年金をもらっていて妻の生年月日が昭和41年4月1日以前であれば、一定の条件のもと振替加算という年金の上乗せを受けることができます。


夫が自営業者の場合

  • 夫が自営業の専業主婦は第1号被保険者
  • 加入する年金は国民年金のみで満額でも年772,800円
  • 保険料は自分で納める
  • 経済的に苦しい場合は免除制度が使える

夫が自営業者の場合、妻の専業主婦は第1号被保険者となります。

第1号被保険者となるので、国民年金に加入することになり、収入に関係なく同じ保険料を負担することになり、年金額も加入期間に応じて決まった金額が支払われます。

2014年度は毎月の保険料は15,200円となり、支給される年金額は満額で年額772,800円となります。

また保険料も自分で支払う必要があります。

保険料を納めることが経済的に苦しい場合には、収入によって保険料の納付が免除される免除制度を利用することもできます。

保険料を滞納していると障害時や死亡時の遺族への保障などもしもの時に保障を受けられなくなります。年金は税金からも支払われており、年金を受け取れないと税金の払い損にもなり、滞納は非常にもったいない行為です。保険料は必ず納めるようにしましょう。


専業主婦が年金を増やす方法

専業主婦がもらえる年金を増やす方法も、夫の職業によって利用できる制度が変わってきます。

夫が会社員、公務員の場合

  • 繰下げ支給
  • 離婚しない

第3号被保険者が年金額を増やす方法はそう多くありません。年金を増やすという意味では国民年金の繰下げ支給くらいしかありません。

年金の支給年齢を遅らせる繰下げ支給をすることで、年間にもらえる年金額を増やすことができます。女性の平均寿命は約85歳と言われており、平均くらい生きるようであれば繰下げ支給をした方が得をすることになります。

また年金を減らさないという意味では、離婚をしないというのも重要です。

離婚をした時の夫婦の年金は、2007年、2008年の法改正により「合意分割」、「3号分割」という制度がスタートし、2008年4月以降の離婚は合意の上妻が第3号被保険者だった期間の夫の年金を最大2分の1分割することができるようになりました。

2008年4月以降の夫の厚生年金については自動的に2分の1に分割されます。

そのため、「離婚をすると夫の年金を半分もらえる」と考えている人も多くいますが、分割されるのは夫の厚生年金の報酬比例部分だけで、基礎年金部分は夫に残ります。

そのため離婚後の妻の年金額は老齢基礎年金(年額772,800円)と分割された夫の厚生年金の報酬比例部分の金額だけです。

一般的な人だと、分割された夫の厚生年金の報酬比例部分の金額は月額約5万円程度で、年額60万円ですので、老齢基礎年金と合計しても年額140万円弱にしかなりません。

しかも自分自身が年金の受給資格を満たしていなければ年金は1円も受け取れず、かつ分割された期間は受給資格期間に含めることができませんので、注意が必要です。

仮に受け取ることができても生活はかなり苦しくなりますので、年金額を減らさないという意味でも離婚は避けた方が良いでしょう。


夫が自営業者の場合

自営業の夫を持つ専業主婦の場合、第1号被保険者になりますので、年金を増やす方法は多くあります。

繰下げ受給については、会社員の夫を持つ妻と同じですが、受給開始時期を遅らせることで支給される年金額を増やすことができます。

支払う保険料を上乗せする付加年金も第1号被保険者なので利用することができます。毎月の保険料に400円上乗せすることで、200円×付加年金の納付月分の金額が年金に上乗せされます。

保険料の未納期間がある場合には、保険料の後納制度を活用して、過去10年までさかのぼって後納することができますので、年金の受給資格を得たり、年金額を増やすことができます。

また公的年金以外の任意で加入できる年金制度として国民年金基金や個人型の確定拠出年金に加入することもできます。どちらも掛け金を全額所得から控除できますので、老後の備えをしながら夫の税金を安くすることができます。

ただし、国民年金基金と付加年金は同時に利用することができないので、どちらかを選択する必要があります。また国民年金基金と確定拠出年金の掛け金の上限は合計で月68,000円までになっています。

最後に自営業の夫を持つ妻は第1号被保険者ですので、上述した年金の離婚分割制度は第3号被保険者向けで利用することができません。そのため離婚をすると夫の年金が分割されることはなく、自分自身の老齢基礎年金だけで生活していかないといけません。

第1号被保険者夫婦はただでさえ年金が少ないので、離婚をすると一層苦しくなるので、離婚をしないことが年金を減らさないという意味では重要になってきます。


年金以外に老後のお金を準備する方法

専業主婦の人が年金以外に老後のお金を準備する方法としては、会社員の妻の場合は、現役時代から節約をして、貯金をしたり投資をしたりすることも考えられますが、自営業の妻は上述した貯金をするお金があるなら上述した国民年金基金や確定拠出年金に拠出した方が効率的でしょう。

現役時代にお金を捻出できないという人はパートとして働いたり、趣味をお金にしたりすることが考えられます。

60歳以上はなかなか仕事が見つからないといいますが、パートの仕事であれば比較的見つけやすいと思いますので、パートで働いて生活費の足しにしましょう。

また、趣味を活かしてお金にしている人もいます。料理教室や書道教室など、趣味をダイレクトにお金にする方法もあれば、最近はネットで意外な仕事があったりもするので、意外な趣味がお金になることもあります。

働く以外の方法で、一般的な公的年金以外のお金の準備の仕方は、別の記事でも紹介していますのでぜひ参考にしてください。


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