退職金の運用の考え方と定年退職時の退職金の平均額
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企業の退職金制度は企業ごとに異なり、退職金を一時金で支払う会社もあれば企業年金に加入して年金形式と一時金を選べる場合もあります。
年金で受け取る場合は年金受取中も積み立てたお金は運用されることになり特に自分で運用することを考える必要はありませんが、一時金で受け取る場合はすぐにすべてを使うわけではないので、しばらく手元に残る分については運用を検討する必要があります。
定年退職をする年齢の人であれば運用経験豊富な方は多いですが、知識があってもなくても大きなお金を失う可能性はあり、取り返しがつかないことになりますので、ここでは退職金の運用の考え方を見ていきましょう。
退職金の平均額
まず退職金をどれくらい受け取ることができるのかですが、経団連で調査している定年退職時の退職金の平均額は大卒で2,491万円、高卒の人で2,125万円となっています。
■定年退職時の退職金の平均額
- 大卒(総合職):2,491.7万円
- 高卒(総合職):2,125.1万円
出典:日本経済団体連合会「退職金・年金に関する実態調査結果」
また、中小企業に目を向けると、中小企業の定年退職の退職金は大卒の人で平均1,383.9万円、高卒の人で平均1,219.1万円となっており、企業の規模によっても退職金の金額が異なることがわかります。
経団連の調査は大企業中心と思われますので、大企業と中小企業では退職金は1,000万円近くの金額の差があるといえます。
■中小企業の定年退職金の平均額
- 大卒:1,383.9万円
- 高卒:1,219.1万円
出典:中小企業の賃金・退職金事情
大企業の人と比べると1,000万円の違いがあるとはいえ、中小企業勤務の高卒の人でも1,200万円以上の退職金を受け取ることになりますので、その扱いについては慎重に検討しないといけません。
ボーナスが入るとすべて使ってしまう人がいますが、ボーナスであれば深刻な問題になることはあまりありません。
しかし人生に一度の退職金をボーナス感覚で使ってしまうと大切な老後の資金がなくなってしまうということも考えられますので、一時金で退職金を受け取る人にとってどのような運用を行うかは重要なテーマになります。
退職金の運用の考え方
■退職金の運用の考え方
- 資金用途を明確にしておく
- 生活資金は安全資産で運用する
- 余裕資金は積極的運用も可能
退職金を寝かせていてももったいないので、しばらく使用する予定のない部分については運用をして少しでも増やしていく必要があります。
退職金に限らず運用にあたっては資金の使用目的を明確にして、目的にあったリスクを取って運用していくことが重要です。
生活資金のように絶対なくしてはいけないお金をリスクの高い商品で運用をして損失が出てしまっては生活に関わりますし、逆に余裕資金であれば自分のやりたいことを実現するためにある程度リスクをとった商品に投資をすることもできます。
万が一損失が出た場合でも余裕資金であれば、生活が変わるほどの影響はありませんし、運用がうまくいけば自分のやりたことを実現したりゆとりのある生活のために使うことができます。
将来の生活資金であれば定期預金や債券などの元本が保証されていたりリスクが低い商品で確実に運用をするようにし、余裕資金であれば株や株式を組み込んだ投資信託への投資を行い多くのリターンを狙うことを選択することもできます。
退職金の運用ということになると、「株で一発当てる」と意気込んで株式投資に手を出す人がいますが、そこにつぎ込んでいる資金は将来の生活資金という人も少なくありません。その場合損失が出ると老後の生活に大きな影響が出てしまいます。
また退職金の運用ということで金融機関等が営業をかけてくることもありますが、営業マンの言葉を鵜呑みにせずリスクを確認して、思わぬ損失を出さないように注意する必要があります。
- 退職金を老後の生活資金として考えている人は、安全資産で運用を行い損失を出さないようにする
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