公的年金のしくみ3:被保険者の分類(第1号・第2号・第3号)
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公的年金の保険料を支払っている人のことを「被保険者」といいますが、被保険者には職業などによって種類があり加入する年金が異なります。
自分がいくら年金をもらえるかを理解する上でとても重要になるので、本記事では被保険者の分類とその違いを見ていきます。
被保険者の種類は3種類
公的年金の保険料を支払っている人を被保険者といいましたが、国民年金は収入のない人は納めなくてもよい決まりがあります。また、専業主婦など収入のない人もいますので、国民年金は収入のある人もない人も被保険者となっています。
- 公的年金の保険料を納めている人を「被保険者」という
- 国民年金は収入のない人も被保険者となっている
被保険者は保険料の納め方や職業などによって、「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」に分類されています。
■被保険者の種類
- 第1号被保険者
- 第2号被保険者
- 第3号被保険者
■公的年金のしくみ
出典:日本年金機構
第1号被保険者
第1号被保険者は自営業者や学生など国民年金のみに加入する保険者のことです。
第1号被保険者は日本に住所のある20歳から60歳の人が対象で、外国籍の人も加入しています。
自営業者(農業、漁業者)や国会議員、学生、自由業者、フリーターなどの職業の人が加入しています。また専業主婦のうち第1号被保険者の妻の場合は、同じく第1号被保険者となります。
第1号被保険者は自分で市区町村に届け出を行い、保険料を納めます。
第2号被保険者
第2号被保険者は会社員や公務員など、厚生年金や共済年金に加入している保険者のことです。
厚生年金には年齢制限はなく、働いている限りは加入する必要があり、18歳から70歳くらいまで加入する人もいます。給料から天引きされて会社経由で保険料を支払っていて、保険料のうち半分は会社が負担しています。
厚生年金に加入する会社に勤めるサラリーマンや共済組合に加入する公務員の人は第2号被保険者に分類されます。
第2号被保険者は国民年金だけでなく厚生年金・共済年金にも加入しているので、第1号被保険者の人よりも年金が手厚いことが多くなっています。
第3号被保険者
第3号被保険者は第2号被保険者に扶養されている配偶者です。一般的には会社員や公務員の妻で専業主婦の人が第3号被保険者に該当します。
パートで働ていても年収が130万円未満で扶養に入っている人であれば第3号被保険者となります。
保険料を納める必要はなく、夫が加入している年金制度から年金が支払われます。
第1号被保険者の妻が、第1号被保険者となり自分で保険料を納める必要があるのと比べると、第2号被保険者の妻はかなり優遇されていることがわかりますね。このように同じ専業主婦でも夫の職業によって妻の年金にも影響が大きくなっています。
また、第3号被保険者と認められるには、「第2号被保険者に扶養されている」ことが条件になるので、パートやアルバイトでがっつり働いて年収が130万円を超えると、第1号被保険者または第2号被保険者となり自分で保険料を負担しないといけません。
これが「年収130万円の壁」としていわれる理由で、多くの人がパートでの働きすぎを抑えていますね。
年金は職業や働き方によって大きく変わる
公的年金制度のしくみを理解する上で、被保険者の種類を見てきました。
被保険者の種類によって加入する年金が変わり、それによって自身の年金額だけでなく妻が加入する年金も変わってきます。
第2号被保険者となる会社員の人と第1号被保険者となる自営業者の人では、本人の年金は第2号被保険者となる会社員の人は国民年金に厚生年金分が上乗せされ、さらに妻も第3号被保険者となり保険料の負担がなく年金を受け取ることができます。
第1号被保険者となる自営業者の人は、夫婦ともに第1号被保険者となり、保険料負担、支給される年金の両面で不利になります。
このように職業によって年金は大きく変わります。年金のために職業を変えるのは現実的ではありませんが、老後のお金を準備するにあたっては理解しておきたいですね。
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