公的年金のしくみ1:日本の公的年金は三階建てで職業によって大きく変わる

公開日:2014年10月16日

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高齢になって働けなくなっても収入を得ることができる公的年金制度は、日本の社会保障制度の大きな柱の一つです。

老後の収入の多くを占める公的年金は、老後のお金を考える上ではとても重要ですが、もらえる年金は全ての人が同じというわけではなく、人によって大きく異なります。

自分がどのような年金がもらえるのかを知らない人は意外に多いので、3階建てといわれる日本の公的年金制度のしくみについて紹介したいと思います。


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日本の公的年金は三階建て

日本の公的年金制度は学生を除く20歳から60歳を迎える人すべての加入が義務付けられており、どのような職業の人も国民年金に加入することができます。

すべての人が加入する国民年金のほかに、会社員の人は厚生年金、公務員の人は共済年金に加入しており、国民年金だけの人よりも多くの年金を受け取ることができます。

  • 国民年金は学生を除く20歳から60歳の人すべてに加入が義務付けられている
  • 会社員は厚生年金、公務員は共済年金が上乗せされる

もらえる年金を上乗せすることになるので、建物に例えると、国民年金が1階部分、厚生年金、共済年金が2階部分、共済年金の職域加算部分が3階部分になります。日本の公的年金のしくみを図解すると以下のようになります。

■公的年金のしくみ
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出典:日本年金機構

上図では2階までしか記載がありませんが、共済年金の職域加算部分が3階建てと呼ばれる部分です。

職業で見ると、自営業者や専業主婦は国民年金のみに加入することになり、サラリーマンは厚生年金に加入し、公務員は共済年金に加入することになります。


公的年金以外に上乗せすることもできる

もらえる年金額が不安な人やもっと年金を増やしたいという人は、国民年金基金や厚生年金基金などに任意で加入することができます。

また、支払う保険料を上乗せすることでもらえる年金額を増やす付加年金などを活用することでも年金を上乗せすることができます。

これらはもらえる年金額が増えるだけでなく、追加で支払った保険料には税制優遇があるので、有利に老後の年金を準備することができます。

さらに公的年金ではありませんが、保険料の拠出額や運用方法を自分で選択して運用する確定拠出年金(401k)は税制優遇が多く用意されているので、活用することで効率的に年金額を上乗せすることができます。確定拠出年金は公的年金に対して私的年金と呼ばれています。


職業によってもらえる年金額は大きく異なる

公的年金制度の仕組みを紹介しました。ここまで読んでいただいた方はお分かりかと思いますが、将来もらえる年金は職業によって大きく異なります。

  • 職業によってもらえる年金額は大きく異なる

特に大きいのは、厚生年金や共済年金など、年金の2階部分があるかないかです。国民年金にしか加入していないのは自営業者や専業主婦の人で、これらの人たちはもらえる年金額が少なくなり、必然的に多めの老後資金を準備する必要があります。

人によりますが、国民年金のみに加入している人は平均で月に約7万円、厚生年金に加入している人であれば月に約15万円ほどの収入になります。

老後に必要な生活費は夫婦で月に約25万円とも言われていますので、自営業の人の赤字がいかに大きくなるかがわかります。

年金のことを考えて職業を選ぶ人はいないと思いますが、職業によって必要な老後のお金が変わるという点は理解しておく必要があります。


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