厚生年金をもらっている人の妻の年金を上乗せする「振替加算」の金額や注意点

公開日:2014年10月24日

厚生年金に加入している人は、国民年金のみの人が受け取ることができる年金と比べるとかなり手厚くなっていますが、本人だけではなく妻の年金も夫が厚生年金に加入していると手厚くなります。

厚生年金に加入している人の妻が受けられる年金として「振替加算」という年金の上乗せ制度があるので、本記事で紹介します。

なお、記事内では便宜上、妻という表現をしていますが、制度上は厚生年金に加入する第2号被保険者の配偶者が受けられる制度です。妻が働き、夫が専業主夫をしている場合は妻を夫に読み替えてください。


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振替加算とは

  • 振替加算は、加給年金をもらっていた人の妻が65歳以降に上乗せされる年金

「振替加算」は、厚生年金に加入する夫に上乗せされる「加給年金」が、妻の年齢によって名前を変えて妻の年金になるものです。

厚生年金を受け取っている人で、配偶者や子供などの扶養家族がいる人に一定の年金額の上乗せがあるのが加給年金です。

加給年金の詳細は別記事で紹介していますが、65歳未満の配偶者がいる場合、222,400円の年金が上乗せされます。この加給年金は配偶者(妻)にかかるものについては、妻が65歳になると支給が打ち切られます。

代わりに妻が65歳以上になった時に、加給年金相当額が妻自身の年金に上乗せされるのが振替加算です。

■加給年金と振替加算の関係イメージ
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出典:日本年金機構


振替加算の対象者

振替加算の対象になるには、夫が加給年金をもらっている以外に以下の条件を満たす必要があります。

■振替加算の対象条件

  • 生年月日が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの人
  • 妻の老齢厚生年金・退職共済年金等の加入期間が240月未満の人
  • 妻の厚生年金または共済組合等の35歳以降の加入期間が一定の条件※以下


※振替加算を受けるために必要な妻の厚生年金または共済組合等の35歳以降の加入期間

生年月日 加入期間
昭和22年4月1日以前 180月(15年)
昭和22年4月2日~昭和23年4月1日 192月(16年)
昭和23年4月2日~昭和24年4月1日 204月(17年)
昭和24年4月2日~昭和25年4月1日 216月(18年)
昭和25年4月2日~昭和26年4月1日 228月(19年)

妻自身が会社員として働いていて厚生年金の加入期間があり、十分な年金額がある場合には振替加算を受けることができませんが、老理基礎年金しかもらえない場合や老齢厚生年金の額が少ない方には振替加算がされます。

また、生年月日の条件があり、振替加算を受けることができるのは生年月日が「大正15年4月2日から昭和41年4月1日の間の人」だけですので、昭和41年4月1日以降に生まれた将来年金を受け取る世代は振替加算を受け取ることはできません。


振替加算の金額

振替加算の金額は生年月日によって決まっていて、加給年金の金額の年額222,400円を上限にして、若い人ほど政令で定める割合によって振替加算額は減額されます。

■振替加算の金額

生年月日 政令で定める率 年額(円) 月額(円)
大正15年4月2日~昭和2年4月1日 1.000 222,400 18,533
昭和2年4月2日~昭和3年4月1日 0.973 216,400 18,033
昭和3年4月2日~昭和4年4月1日 0.947 210,600 17,550
昭和4年4月2日~昭和5年4月1日 0.920 204,600 17,050
昭和5年4月2日~昭和6年4月1日 0.893 198,600 16,550
昭和6年4月2日~昭和7年4月1日 0.867 192,800 16,066
昭和7年4月2日~昭和8年4月1日 0.840 186,800 15,566
昭和8年4月2日~昭和9年4月1日 0.813 180,800 15,066
昭和9年4月2日~昭和10年4月1日 0.787 175,000 14,583
昭和10年4月2日~昭和11年4月1日 0.760 169,000 14,083
昭和11年4月2日~昭和12年4月1日 0.733 163,000 13,583
昭和12年4月2日~昭和13年4月1日 0.707 157,200 13,100
昭和13年4月2日~昭和14年4月1日 0.680 151,200 12,600
昭和14年4月2日~昭和15年4月1日 0.653 145,200 12,100
昭和15年4月2日~昭和16年4月1日 0.627 139,400 11,616
昭和16年4月2日~昭和17年4月1日 0.600 133,400 11,116
昭和17年4月2日~昭和18年4月1日 0.573 127,400 10,616
昭和18年4月2日~昭和19年4月1日 0.547 121,700 10,141
昭和19年4月2日~昭和20年4月1日 0.520 115,600 9,633
昭和20年4月2日~昭和21年4月1日 0.493 109,600 9,133
昭和21年4月2日~昭和22年4月1日 0.467 103,900 8,658
昭和22年4月2日~昭和23年4月1日 0.440 97,900 8,158
昭和23年4月2日~昭和24年4月1日 0.413 91,900 7,658
昭和24年4月2日~昭和25年4月1日 0.387 86,100 7,175
昭和25年4月2日~昭和26年4月1日 0.360 80,100 6,675
昭和26年4月2日~昭和27年4月1日 0.333 74,100 6,175
昭和27年4月2日~昭和28年4月1日 0.307 68,300 5,691
昭和28年4月2日~昭和29年4月1日 0.280 62,300 5,191
昭和29年4月2日~昭和30年4月1日 0.253 56,300 4,691
昭和30年4月2日~昭和31年4月1日 0.227 50,500 4,208
昭和31年4月2日~昭和32年4月1日 0.200 44,500 3,708
昭和32年4月2日~昭和33年4月1日 0.173 38,500 3,208
昭和33年4月2日~昭和34年4月1日 0.147 32,700 2,725
昭和34年4月2日~昭和35年4月1日 0.120 26,700 2,225
昭和35年4月2日~昭和36年4月1日 0.093 20,700 1,725
昭和36年4月2日~昭和41年4月1日 0.067 14,900 1,241
昭和41年4月2日以後


振替加算に必要な手続き

振替加算を受け取るには、妻の年金を請求する際の裁定請求書に「配偶者の基礎年金番号・年金コード、配偶者の氏名および生年月日」を記入することで、65歳になった時に振替加算を受けることができます。

特別な場合を除いて、振替加算を受けるための届出をする必要はありません。

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出典:日本年金機構

■振替加算の届出が必要な場合

  • 夫が厚生年金保険または共済組合等の加入期間240月以上の老齢年金または障害年金(1,2級)を受けられるようになった場合
  • 夫が受けている年金が退職による年金額改定によって、厚生年金保険または共済組合等の加入期間が240月以上の老齢年金になった場合


振替加算の注意点

振替加算を利用したい人が注意しないといけない点は、振替加算をまだ受け取っていないうちに離婚をしてしまうと、振替加算の対象とならないことです。

  • 65歳を迎える前に離婚をすると、振替加算がもらえなくなる

夫が加給年金を受け取っている場合、妻と離婚をしていると加給年金の支給がストップします。その元妻が65歳になっても振替加算はされません。

振替加算を受け取るには、上述した条件を満たす以外に、振替加算をもらえる65歳時点で離婚をしていない必要があるのですね。

振替加算のために離婚するのを待つというのも本末転倒な感じもしますが、これから配偶者に頼らず生きていくうえで収入はとても重要です。

この他にも年金制度は離婚をするともらえなくなる年金があるので、熟年で離婚をする場合には年金がどうなるのか、最寄りの社会保険事務所で確認をした方が良いでしょう。


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