国民年金は物価スライド方式により保険料・支給額が決まる

公開日:2014年10月21日

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国民年金保険の基本的な考え方として、物価スライド方式という考え方があります。

物価スライド方式とは、物の値段が上がったとしても年金受給者の生活水準を買えないように、物価の変動に合わせて年金支給額も増減させるという考え方です。

  • 物価スライド方式は、物の増減で年金受給者の生活水準を買えないように、物価の変動に合わせて年金支給額も増減させる方法

物価が上がるとお金の価値は下がります。

例えば、100円のものが500円へと物価が上がった場合、500円を持っていた人は、以前はそのものを5つ買えていたものが物価変動後は1つしか買えないことになります。

言い方を変えると、持っていた500円が100円分の価値しかなくなってしまったのと同じことになりますので、物価が上がるということはお金の価値が下がっていると見ることもできるのです。

  • 物価が上がるとお金の価値が下がる

日本でも、高度経済成長期の前の1970年代にはタクシーの初乗りが130円だったのが710円と約6倍となり、映画のチケットは700円から1,800円となり2.5倍になっています。

物価が上がりお金の価値が下がることをインフレといいますが、日本は逆に物価が下がり続けてお金の価値が上がるデフレの状態が長く続いています。

今後も大きくインフレになるとは考えづらいですが、仮に物価が大きく上がっても年金の支給額も上げることで、年金生活者の生活水準が著しく悪化しないようになっています。


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物価スライド方式の限界とマクロ経済スライド方式

しかしながら、少子高齢化が進む日本の年金制度として、物価スライド方式には限界が見え始めています。

日本の年金制度は現役世代が年金受給世代を支える賦課方式によって運用されているので、少子高齢化が進むことでおのずと保険料と年金支給額のバランスが崩れ、年金支給額の水準を一定に保つことが難しくなっています。

そこで、2004年の年金改正により、年金財政の状況を見て、保険料負担と年金支給額を調整するマクロ経済スライド方式が採用されるようになりました。

  • 物価スライド方式に代わって、マクロ経済スライド方式が採用されている

物価スライド方式は物価が上がると年金支給額も上がりますが、保険料今の日本の年金財政は厳しいので、マクロ経済スライド方式では物価が上がっても年金支給額を上げずに、実質的な給付を年1%程度ずつ引き下げていきます。

これにより、物価が上がっても年金が増えないということになり、年金受給をする人にとっては、物価が上昇すると生活が苦しくなります。


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