海外赴任時は日本と赴任先の国の両方の年金を支払わないといけない

公開日:2015年2月27日

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日本の公的年金制度は「日本国内に住んでいる20歳から60歳の人」の加入が義務づけられていますので、外国人でも日本で働き暮らす人は公的年金に加入しなければなりません。

同じように日本人が海外で働く場合も、その国の公的年金をはじめとした社会保険制度に加入する必要があり、日本の社会保険料と二重で負担しなければなりません。

海外の年金制度に加入しても受給資格を得るほど長期間働くことは少ないので、受給資格を得ることができず掛け捨てになってしまう人も多いでしょう。

そのような意味で海外赴任をすると年金面では損をすることもあると言われることもありますが、必ず損をするというわけではありません。


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二重加入や掛け捨てを防止する社会保障協定

日本政府はこのような二重加入や掛け捨てを防止するために主要な国と社会保障協定という協定を結んでいます。

協定を結んでいる国に日本人が駐在したり、現地の企業に就職された場合は日本での社会保険の加入が免除され、相手国の社会保障制度に加入することになります。

また国によっては相手国での年金加入期間も合算対象期間となり、日本での年金の受給資格を得るための期間としてカウントされます。ただし合算対象期間はカラ期間となるので年金額には反映されません。

2015年時点で社会保障協定を結んでいるのはアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどの16か国で、準備中のイタリアも含めると17か国になります。

■社会保障協定を結んでいる国

協定発行年月 期間通算 対象社会保障(日本)
ドイツ 平成12年2月 ・公的年金制度
イギリス 平成13年2月 ・公的年金制度
韓国 平成17年4月 ・公的年金制度
アメリカ 平成17年10月 ・公的年金制度
・公的医療保険制度
ベルギー 平成19年1月 ・公的年金制度
・公的医療保険制度
フランス 平成19年6月 ・公的年金制度
・公的医療保険制度
カナダ 平成20年3月 ・公的年金制度
オーストラリア 平成21年1月 ・公的年金制度
オランダ 平成21年3月 ・公的年金制度
・公的医療保険制度
チェコ 平成21年6月 ・公的年金制度
・公的医療保険制度
スペイン 平成22年12月 ・公的年金制度
アイルランド 平成22年12月 ・公的年金制度
ブラジル 平成24年3月 ・公的年金制度
スイス 平成24年3月 ・公的年金制度
・公的医療保険制度
ハンガリー 平成26年1月 ・公的年金制度
・公的医療保険制度
イタリア 準備中 ・公的年金制度
・雇用保険制度

主要な欧米諸国はカバーされていますが、アジアは韓国だけになっており、大勢の駐在員がいる中国、タイ、シンガポール、インドネシアなどとは協定が結ばれていません。

最新の情報は日本年金機構のホームページで確認できますので、気になる人は見てみると良いでしょう。

自分が社会保障協定を結ぶ国に赴任することになった場合は、事業主に日本の年金事務所で日本における年金加入を証明する「適用証明書」を取得してもらい、自分で相手国の事業所に提出をすることで手続きすることができます。

海外で仕事をすることになると様々な準備が必要になるので、年金など社会保険の手続きはおろそかになりがちですが、きちんと手続きがされていないと将来困るのは自分自身ですのできちんと確認をしておきたいですね。


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