老後資金を社債で運用するメリットと注意点

公開日:2015年1月30日

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

運用商品として預貯金に次いで安全性の高い債券ですが、債券の中でも「社債」は個人投資家に人気の商品です。

社債とは企業が発行する債券のことで、国債や地方債と同じように満期まで保有すると利子を受け取ることができます。期間は様々で5年、7年、10年などの長いものから1年という比較的短期間の商品もあります。


[スポンサーリンク]

社債の特徴

■社債の特徴

  • 満期まで保有すると元本、利子を受け取ることができる
  • 途中売却することも可能
  • 国債よりも利率が高い
  • 利率は発行体の信用度によって決まる
  • 発行体が倒産した場合は元本、利子が支払われない

社債は企業が発行体となって発行し、満期まで保有することで償還することができ、元本、利子を受け取ることができる金融商品です。

企業が発行した債券は証券会社が引き受け販売を行い、投資家は購入した社債を満期まで保有せずに途中売却することも可能になっていて証券会社が買取をしてくれます。買取価格は市場の状況によって証券会社が決めますので売却価格によっては損失が発生することもあります。

社債の利率は発行する企業の信用度や金利市場の状況によって決まります。企業の信用度が低いほど利率は高くなり、一企業は国よりも信用度は低いので、社債は国が発行する国債よりも利率は高くなるのが一般的です。

個人向けの社債だとソフトバンクが発行しているソフトバンク債やSBIホールディングスが発行しているSBI債などが有名です。

ソフトバンク債は過去年利5%近い利率を提示しており今考えると非常にお得な社債でした。SBI債は期間1年で1%を超える利率で個人投資家の間では募集が始まるとすぐに売り切れてしまうほどの人気商品です。

発行体が倒産してしまった場合は元本、利息が支払われない可能性があり、最悪債券は紙切れになってしまう可能性もありますので注意が必要です。


社債にはいくつかの種類がある

また社債には「普通社債」「劣後債」「転換社債」などいくつかの種類があります。

■社債の種類

  • 普通社債:満期まで保有することで利子がもらえる債券
  • 劣後債 :元本や利子の支払順位が低いかわりに高い利率が設定された債券
  • 転換社債:自社株転換社債(CB債)と他社株転換社債(EB債)がある

普通社債とは満期まで保有することで利子を受け取ることができる一般的な債券です。利率は発行する企業の信用度やマーケットの状況によって決まります。

企業が倒産していない限り満期まで保有すると元本が保証されていますが、途中で解約・売却した場合は売却価格が低く損失が発生する可能性があります。

普通社債の中で個人投資家向けに発行されるものは「個人向け社債」と呼ばれています。

劣後債は元本、利子の支払順位が低いかわりに利率が高く設定されている社債のことです。

転換社債は決まった価格で株式と交換できる社債のことで、自社株転換社債(CB債)と他社株転換社債(EB債)があります。転換社債型新株予約権付社債と呼ばれることもあります。

転換社債は魅力的な条件に見える商品も多いですが、リスクが複雑になっており思わぬ落とし穴にはまることもありますので、完全にリスクを把握されているという方以外は手を出さない方が賢明です。


社債のリスク

  • 発行体の信用リスク
  • 流動性が低い

社債の最大のリスクは発行体の信用リスクです。

社債は発行した会社が破たんして倒産した場合、基本的には元本も利子も受け取ることができません。国が発行する国債であればまず大丈夫といえますが、社債の発行体は一企業ですので破たんする可能性は十分あります。

社債の利率は格付けなど発行体の信用度と償還までの期間によって決まっていますので、利率の高い社債ということはそれだけ発行体の信用度が低いということが言えます。

利率が高い商品は嬉しいですが、社債の場合はなぜそんなに利率が高いのか発行体のリスクを十分見極める必要があります。

また、社債は途中解約したり売却する際には証券会社へ買取をしてもらうことになりますが、証券会社がいくらで買取をしてくれるのかわかりませんし、売却した結果損失が発生する場合もあります。

場合によっては証券会社が売却に応じてくれないこともありますので流動性についてはリスクがあることを理解しておく必要があります。


リスクを把握して適切な投資を行う

社債に限らず老後資金はなくしてはいけない大切なお金です。

余裕資金であれば多少リスクのある商品で運用しても問題ありませんが、それでもリスクのわからない「よくわからない商品」に投資をすることは避けないといけません。

商品のリスクを把握して、そのリスクを自分が許容できるのであればリスクを取ってリターンを狙うというのが資産運用の基本的考え方ですので、「確実にもうかる」などの甘い誘い文句に騙されないように気を付けましょう。


自分にあったお金の相談相手を見つける

老後のお金に対する不安を解消するには専門家に相談するのが一番で、特定の金融機関に属さないFPは大切なお金のことを相談する相手にぴったりです。

住んでいる地域や年齢、家族構成から自分にあった相談相手を探すことができるので、簡単に無料相談ができます。

FPを探して無料相談

サブコンテンツ

このページの先頭へ