海外の公的年金の保有資産割合と運用実績

公開日:2015年2月5日

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日本の公的年金は過去からの積立金をGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)により運用がされていますが、海外でも同様に公的年金の積立金の運用がされています。

日本では年金積立金の保有資産の比率が議論されていますが、海外ではどのような運用がされてどんな結果が出ているのでしょうか。

本記事では海外の公的年金の運用状況について紹介したいと思います。


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海外の公的年金の運用状況

■各国の年金積立金の運用機関

  • アメリカ:CalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金)
  • カナダ:CPPIB(カナダ年金制度投資委員会)
  • ノルウェー:GPF-G(ノルウェー政府年金基金-グローバル)
  • 日本:GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)

日本のように公的年金で多額の積立金を有し運用を行っている国はいくつかありますが、代表的な国としてアメリカ、カナダ、ノルウェーなどがあります。

アメリカではCalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金)、カナダではCPPIB(カナダ年金制度投資委員会)、ノルウェーではGPF-G(ノルウェー政府年金基金-グローバル)という機関がそれぞれ運用を行っています。

アメリカの場合は州ごとに年金が管理されており、カリフォルニア州の年金積立金が非常に多額になっています。

これらの公的年金の機関は日本のGPIFと同様に政策的に決まった資産保有比率に基づいて運用が行われています。

2014年3月末における各国のポートフォリオは以下のようになっており、株式、債券の比率が大きく異なっていることがわかります。

■各国の公的年金の積立金の資産規模と保有割合

運用機関(国) 資産規模 債券比率 株式比率 その他
CalPERS
(アメリカ)
30兆円 17% 64% 19%
CPPIB
(カナダ)
20兆円 35% 65%
GPF-G
(ノルウェー)
88兆円 35% 60% 5%
GPIF
(日本)
127兆円 50% 50%

実際の運用実績を見ると、全体的な傾向としては同じような運用実績となっていますが、株式の運用比率が高いアメリカのCalPERSが損益のぶれが大きくなっており、債券の運用比率が高い日本のGPIFの損益の幅が最も小さくなっています。

■各国の運用実績
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出典:年金積立金管理運用独立行政法人

過去10年の平均利回りを見ると、アメリカが7.95%、カナダが7.80%、ノルウェーが5.80%、日本が3.35%となっており、日本の運用利回りはアメリカの利回りの半分以下になっています。

■過去10年間の平均利回り

平均利回り
アメリカ 7.95%
カナダ 7.80%
ノルウェー 5.80%
日本 3.35%

日本のGPIFはあまりリスクをとった運用をしていないので当然と言えば当然ですが、このような状況もあることから国内株式の保有比率の上限が撤廃されて、もう少しリスクを取っていく流れになっているのでしょうね。

日本人は貯金好きでリスクを取らないと言われていますが、各国の年金運用機関でも国民性が出ているとも言えそうですね。


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