生命保険で老後資金は作れないと言われる理由

公開日:2015年1月13日

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生命保険を活用して老後のお金を準備することはできますが、保険で貯蓄をすることについては意見が分かれており、専門家の中には生命保険では老後資金を作ることはできないと考えている人も多いです。

老後資金の準備方法は色々あるので、最終的には自分の判断で老後のお金の準備方法を選ぶしかないですが、一つの参考として生命保険で老後資金は作れないと言われる理由を見ていきましょう。


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生命保険で老後資金は作れないと言われる理由

  • 死亡保障が不要であることが多い
  • 返戻率、利回りが高くない
  • インフレリスクに弱い
  • 保険料が高い

死亡保障が不要であることが多い

生命保険で老後のお金を作る方法は養老保険に加入して満期保険金を受け取るか、終身保険に加入して保険料の払込完了後に解約をして解約返戻金を受け取る方法があります。

いずれにしても満期or保険料払込完了までは死亡保障を用意しながら老後のお金も準備することができる点が生命保険を活用した老後のお金の準備方法の魅力です。

しかし、満期や払込完了は60歳や65歳となることが多いですが、その時までに死亡すると思っている人は多くありません。死亡保障が本当に必要と考えて加入しているのは稀で何となく不安だから加入している人が多くなっています。

中には生命保険に別で加入していることもあり、死亡保障自体がもう不要である場合も多いです。死亡保障をつけている分保険料は高くなりますので貯蓄という意味では効率が悪いということになります。


返戻率、利回りが高くない

また、返戻率、利回りが決して高くない点も問題と言われています。

支払った保険料に対して受け取るお金の割合を返戻率と言います。保険商品や年金受取開始時期によって返戻率は異なりますが、貯蓄型の保険を活用して老後のお金を準備した場合、返戻率は130%あれば良い方です。

返戻率130%というと1,000万円を保険料として積み立てていれば1,300万円を将来受け取ることができるので良いように感じますが、払込期間は30年を超えることもあるので、30年間で30%しか増えないということになります。

仮に3%で運用した場合、30年後には元本が約2.35倍になり、30年という長い期間があるとかなりの運用効果を狙うことができます。そこから考えると30年間で130%という返戻率は決して高くなく、年間の利回りに直すと1%以下となり元本が保証されているとはいえ物足りない運用成果といえます。

30年で30%お金が増えるというのは、決して良い数字ではないのです。


インフレリスクに弱い

また生命保険に加入しているとインフレリスクに弱いという点もマイナスとして考えられます。

契約時に運用利率が決まり長期間預ける貯蓄型の生命保険に加入していると、保険料の払込期間中に物価が上がってしまうインフレリスクがあります。

20年後、30年後の物価動向は誰もわかりませんが、上昇する可能性はもちろんあり、わからないからこそインフレリスクに弱い生命保険商品に多くのお金をつぎ込むことは危険と考えられています。

物価上昇局面で金利も増加していれば他の金融商品の利回りは良くなるので、株や投資信託などで運用をして物価上昇以上の利回りを目指さないと実質的にお金が目減りして使えるお金は減っていくことになります。

特に利率が高くない生命保険にインフレリスクを取って長期間お金を預けることは非常に危険なことであり、老後のためと思って加入した生命保険のために苦しい老後生活を強いられる可能性もあります。

保険に加入する際は「保険料を何年間預けて何%の利回りがあるのか」を確認した上で、リスクに見合う価値があるのか慎重に検討する必要があります。


保険料が高い

このように不要な死亡保障が入っていたり、決して高くない利回りの商品であるゆえに目標の金額を準備するために必要な保険料の金額は必然的に高くなってしまいます。

保険に対して毎月5万円以上支払っている家計も多く、家庭によっては月に10万円以上保険料を支払っている人もいます。これでは現役時代に楽しいお金を使うことはできず倹約に追われることになります。

老後の不安を解消したい気持ちはみな同じですがより効率的に老後のお金を貯める方法を考え、保険で準備するのが最適なのかを常に自分に問いかける必要があります。


生命保険以外の老後資金の準備方法の検討を

バブル期の頃などは金利が高く、貯蓄性の生命保険の予定利率も高かったので収益性も高く元本保証もされているいわゆる「お宝保険」に加入することも可能でした。

しかし、現在の超低金利の状況では貯蓄性の保険の利率は良くないので、あくまで選択肢の一つとして捉え、他の金融商品と比較検討した上で自分にあった最適な老後のお金の準備方法を選ぶことが可能になります。

個人的には「保障」と「貯蓄」は分けて、貯蓄の効率性をきちんと他の金融商品と比較することが重要で、そのためにも保険はシンプルな契約を心掛けるのが良いと思います。


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