平成24年の生命保険料控除制度の改正の内容とポイント
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生命保険に支払った保険料のうち一定額が所得控除される「生命保険料控除」ですが、平成24年(2012年)より改正が行われており、平成24年1月1日以降に新規契約した生命保険については新生命保険料控除が適用されます。
契約した時期によって適用される控除額が異なるので、生命保険料控除制度の改正のポイントを見ていきましょう。
新旧生命保険料控除制度の概要
■新旧生命保険料控除の上限額
- 新制度:所得税上限4万円、住民税上限2.8万円
- 旧制度:所得税上限5万円、住民税上限3.5万円
平成24年の契約以降に受けられる新制度の生命保険料控除額は以下のようになっています。
■新制度での生命保険料控除額
分類 | 年間支払保険料金額 | 控除額 |
---|---|---|
所得税 | 20,000円以下 | 支払保険料全額 |
20,000円超40,000円以下 | 支払保険料×1/2+10,000円 | |
40,000円超80,000円以下 | 支払保険料×1/4+20,000円 | |
80,000円超 | 40,000円 | |
住民税 | 12,000円以下 | 支払保険料全額 |
12,000円超32,000円以下 | 支払保険料×1/2+6,000円 | |
32,000円超56,000円以下 | 支払保険料×1/4+14,000円 | |
56,000円超 | 28,000円 |
平成24年からの新しい生命保険料控除は年間の支払保険料額に応じて、所得税が年間最大40,000円、住民税が最大28,000円の所得控除を受けることができます。
改正前の生命保険料控除の保険料に対する控除額は以下のようになっており、年間支払保険料と控除額が異なり、改正前は所得税が年間最大50,000円、住民税は最大35,000円の控除を受けることができました。
控除される上限額が引き下げられ、全額控除となる金額も引き下げられているので、全体的に受けられる控除金額は少なくなっています。
■旧制度での生命保険料控除額
分類 | 年間支払保険料金額 | 控除額 |
---|---|---|
所得税 | 25,000円以下 | 支払保険料全額 |
25,000円超50,000円以下 | 支払保険料×1/2+12,500円 | |
50,000円超100,000円以下 | 支払保険料×1/4+25,000円 | |
100,000円超 | 50,000円 | |
住民税 | 15,000円以下 | 支払保険料全額 |
15,000円超40,000円以下 | 支払保険料×1/2+7,500円 | |
40,000円超70,000円以下 | 支払保険料×1/4+17,500円 | |
70,000円超 | 35,000円 |
生命保険料控除全体の制度改正のポイント
- 介護医療保険料控除が受けられるようになった
- 合計で受けられる控除金額が増額された
- 生命保険、個人年金保険料控除単体で受けられる控除は減額された
一般生命保険へ加入していることで受けられる生命保険料控除は減額されたことになりますが、生命保険料控除制度全体で見ると減額だけがされているわけではありません。
まず旧制度では一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2種類でしたが、新制度では「介護医療保険料控除」という控除が新設され、介護保険や医療保険へ支払った保険料は生命保険料控除とは別枠で所得控除を受けることができるようになりました。
控除される金額は生命保険料控除や個人年金保険料控除と同じで、所得税で最大4万円、住民税で最大2.8万円の控除を受けることができます。
新制度では生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除という3種類の控除を受けることができ、合計では旧制度よりも受けられる控除の金額は増えています。
控除の種類 | 旧制度の控除額 | 新制度の控除額 |
---|---|---|
生命保険料控除 | 所得税上限5万円住民税上限3.5万円 | 所得税上限4万円住民税上限2.8万円 |
個人年金保険料控除 | 所得税上限5万円住民税上限3.5万円 | 所得税上限4万円住民税上限2.8万円 |
介護医療保険料控除 | – | 所得税上限4万円住民税上限2.8万円 |
合計 | 所得税上限10万円住民税上限7万円 | 所得税上限12万円住民税上限8.4万円 |
介護医療保険に加入していない人で生命保険料控除を受ける人は、一般生命保険で受けることができる控除金額は少なくなりますので、すべての人が得をするわけではありません。
なお、平成23年以前に契約した生命保険と平成24年以降に加入した医療保険に加入している人は新制度と旧制度を併用することができます。ただし控除の種類ごとの控除上限額や制度全体の控除金額は新制度のものが適用されます。
保険の契約状況によっては併用適用しない方が得する場合もあるので、自分の保険の状況から得する控除を適用するようにしましょう。
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