物価は上がるのに年金が増えない「マクロ経済スライド方式」と若い人ほど苦しい老後の生活

公開日:2014年10月16日 最終更新日: 2014年10月29日

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老後の生活は将来の公的年金と生活費をベースに、足りない金額を補うように老後のお金を準備するのが基本です。

そのためには公的年金をいくらもらえるのかを把握する必要がありますが、制度や自分の収入を予測できたとしても公的年金でもらえる金額が読めないことがあるので注意が必要です。


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公的年金の「物価スライド方式」と「マクロ経済スライド方式」

公的年金で支給される金額は収入や加入年数によって決まっていますが、同じ収入、加入年数の人に支給される年金は物価の変動に合わせて上下するようになっています。

仮に物価が5%上がって年金支給額が同じだと、物価上昇分生活が苦しくなってしまうので、世代に関わらず年金受給者に同じ生活水準を保証するために必要な仕組みですね。

この物価に合わせて年金支給額を変動させることを「物価スライド制」といいます。

しかし、少子高齢化や医療の進歩により日本人の寿命が延びたことにより、年金財政が厳しくなっていることから、2004年に年金制度改革が行われ、構造的な年金財政を健全にするため毎年1%程度年金を抑える「マクロ経済スライド方式」という仕組みが導入されました。

  • 物価スライド方式とは、物価に合わせて年金支給額を変動させること
  • マクロ経済スライド方式は、現役世代の減少や寿命の延びに合わせて年金額を抑える仕組みのこと

これにより、将来的な年金財政の健全化への期待と、現在年金を受給している世代にとっては実質的な支給年金が下がることへの不安がありました。

ところがマクロ経済スライド方式による年金支給額の抑制は物価の上昇があった時に限られるため、これまで(2014年10月時点)は 物価の下落が続き、一度も発動したことがなく、実質的には将来世代に負担を先送りしていました。

2014年は消費増税により物価上昇があったので、その範囲ではじめてマクロ経済スライド方式が発動することになります。

2015年には過去の物価下落時に下げられなかった分を合算して、最大で1.6%も年金がカットされる見通しのようです。

現状、マクロ経済スライド方式では毎年1%程度の年金カットが見込まれていますので、単純計算すると10年で10%、20年で20%も実質的な年金水準が下がることになります。

もちろんこの通りになるかはわかりませんが、十分ありうるシナリオであることは認識しておかないといけません。


今後は物価が下落すると年金も減額になる

  • 若い人ほど年金の支給水準は厳しくなるので、早めかつ効率的な準備が必要

少子高齢化により現役世代の人数は年々減っていますし、寿命も延び続けています。

年金財政が悪化するのは当然で、それに合わせる形で将来的に年金が減額されたり、受給年齢の引き上げが行われるのも構造上仕方のないことです。

今は物価下落時に年金が減額されることは据え置かれていますが、さらに早くて2015年から物価下落時に年金を減額することが確実視されています。

  • 2015年からは物価下落時に年金が減額される

こうなると年金財政の悪化分の年金額の抑制が毎年確実に行われるようになるので、このまま少子高齢化が続くようだと将来世代の年金はどんどん厳しい状況になっていきます。

将来的に物価が上がって年金支給額が下がると、実質的な収入は大きく減ることになるので、公的年金でまかないきれない自分で用意する老後の生活費はどんどん多く必要になってくるといえるでしょう。

今でさえ老後の生活に公的年金だけでは足りないと言われている状況ですので、現役世代は若い人ほど多くの金額を必要になります。

多くの金額を準備するには早くから準備をすることと税制優遇を活用した準備をすることがポイントになりますので、当サイトでも紹介している税制上有利な運用商品をぜひ参考にしてください。


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