老後のお金の参考となる「老後余裕指数」の意味と活用方法
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老後のお金は最低限必要な生活費をまず用意した上で、ゆとりのある老後に必要なお金を用意することが基本ですが、「老後のゆとり」はぼんやりとしていて抽象的なので、いくらお金が必要なのかわかりづらくなります。
そこで、老後のゆとりを測る指標として、老後の余裕指数という考え方がありますので紹介させていただきます。
老後の余裕指数の考え方と計算方法
老後の余裕指数は、その言葉通り老後の生活が経済的にどれだけ余裕があるのかを年金額や保有資産から算出するもので、以下の計算式により算出されます。
■老後の余裕指数の計算方法
- 老後余裕指数:月額年金収入+(預貯金÷300)+(株式、不動産×0.75÷300)-(ローン残高÷300)
月の年金収入に預貯金と株式などの金融資産を300で割った額を合計し、ローン残高を同じく300で割った金額を差し引くというものです。
300で割る理由は、老後の生活を25年と考え、25年×12か月が300となり、毎月切り崩す場合に25年間で使い切るには毎月いくら使うことができるかということを考えるためです。
株式や不動産は価格変動のリスクがあるため、75%の金額として評価をしています。
同じくローン残高についても25年間で完済する場合にいくら支払う必要があるのかという意味で300で割って、年金と資産額の合計から差し引いています。
結果的に老後の生活で毎月いくらくらい使うことができるかを簡易的に算出し、老後の生活の余裕や豊かさを把握することができます。
老後余裕指数の評価
算出した老後余裕指数は以下のAからDの基準で評価をして、老後生活の余裕度を知ることができます。
■老後余裕指数の意味
余裕指数 | 判定 | 評価 |
---|---|---|
37以上 | A | 余裕のある生活ができる |
27以上 | B | 平均的な生活ができる |
17以上 | C | 平均よりもやや劣る生活ができる |
17未満 | D | かなり余裕のない生活をする必要がある |
老後余裕指数が37以上が余裕のある生活のできる「A」評価になっていて、27以上で「B」、17以上で「C」、17未満が「D」となり、順に余裕がなくなっていきます。
上述した通り、老後余裕指数は年金と資産の切り崩しで毎月いくらくらい使うことができるかを表しているので、例えば老後余裕指数が30であれば、毎月30万円くらい使うことができます。
老後指数上はA評価は37万円、B評価は27万円を生活費に使用することができるので、別の記事で紹介した必要といわれている老後の生活費25万円、ゆとりのある老後に必要な35万円とも大きな差がなく、ある程度の納得感がありますね。
老後余裕指数の算出
実際に老後余裕指数を算出すると以下のようになります。
■モデルケースの夫婦2人の老後余裕指数の算出
- 年金額:夫20万円、妻7万円
- 預貯金:900万円
- 株式:800万円
- ローン:なし
27+(900÷300)+(800×0.75÷300)=32(B評価)
一般的なサラリーマン家庭(妻は専業主婦)を想定したモデルケースでは、金融資産を1,700万円保有していて余裕指数は32となり、平均的な余裕のある生活ができるB評価となりました。
公的年金は夫が厚生年金、妻が国民年金で標準的ながら、自営業の人などから見ると手厚い保障となっていて、金融資産を1,000万円以上保有していれば、そこそこ余裕のある老後を送ることができるということがわかります。
個人年金などがあったり、資産を運用して増やすことができれば、さらに余裕のある老後を過ごすことができます。
最低限の生活をするための資金を株式などリスクの高い金融商品で運用をするのは危険ですが、余裕のある老後のための資金であればある程度リスクもとれるので、株式や投資信託などで運用して増やすということもできますね。
あくまで目安ではありますが、簡単な計算で算出することができるので、気になる方は自分の余裕指数がどの程度か計算してみると良いと思います。
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