老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期と繰上げ繰下げ受給

公開日:2014年10月23日 最終更新日: 2014年10月27日

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国民年金の保険料を納付していると原則65歳からもらえる「年金」は、年金制度上は「老齢基礎年金」と呼ばれます。

年金が支給されるのは高齢になった時以外に、障害を負った場合の障害年金や被保険者が死亡した場合に遺族に支給される遺族年金があるので、それらと区別する意味でも老齢基礎年金と呼ばれているのですね。

本記事では、老齢基礎年金が支給される受給条件と支給開始年齢について紹介します。


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老齢基礎年金の受給要件

  • 年金の受給権を得るには25年の受給資格期間が必要
  • 保険料を40年納めると満額の年金額が支給される
  • 加入期間が40年に満たない場合、加入月数に応じた年金額が支給される

現行では、老齢基礎年金を受け取るには保険料を納めた期間や保険料を納めたとみなされる期間である「受給資格期間」が25年間必要になります。(なお、報道などで2015年10月から10%への消費税の引き上げとセットで、年金受給資格を得るための期間が25年から10年に短縮されると言われています。)

20歳から60歳までの40年間全ての期間にもれなく保険料を納めると満額の年金額が支給されることになり、その他の人は加入期間に応じた年金額を受け取ることができます。

免除制度を利用した人の場合、免除期間中の年金額は免除の種類によって全額免除は2分の1、4分の3免除は8分の5の年金額として計算され、合計年金額に算入されます。

2014年度の国民年金支給額の満額は772,800円の年金が支給されることになります。


老齢基礎年金の支給開始時期

老齢基礎年金の支給が開始されるのは原則65歳からで、65歳の誕生日を迎えた日の前日の翌月分から死亡した月まで老齢基礎年金が支給されます。

■老齢基礎年金の支給期間

  • 65歳の誕生日の前日の翌月分から死亡した月まで
  • 1日生まれの人だけは65歳の誕生日の当月分から支給される

例えば、10月16日生まれの人の場合は、前日の10月15日の翌月である11月分から支給が開始されます。

ただし、1日生まれの人だけは65歳の誕生日の当月分から支給されます。

年金の支給は偶数月に前2か月分がまとめて支払われますので、10月16日生まれの人の次の支給月は12月ですので、12月に11月分の支給がされるのが初回の年金支給になります。


繰上げ受給と繰下げ受給

なお、老齢基礎年金の支給開始は原則65歳からですが、希望することで60歳から65歳までの間でも繰上げて受給することや66歳以降に繰下げて受給をすることもできます。

繰上げて受給する場合には支給開始時期に応じて支給年金額が減額され、繰下げて受給をする場合には年金額が増額されることになります。繰上げ受給、繰下げ受給によって増減された年金は死亡までずっと増減されることになるので、利用は慎重に検討する必要があります。

  • 繰上げ受給:年金の支給開始年齢を60歳から65歳までの間に繰上げ、その分年金額を減額する
  • 繰下げ受給:年金の支給開始年齢を66歳以降に繰下げ、その分年金額を増額する

繰上げ、繰下げによる年金額の増減は年齢と月数によって増減率が以下のように決まっています。

■繰上げ、繰下げによる年金額の増減
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出典:日本年金機構

60歳0か月から受給しようとすると、本来の支給額の70%まで減額されるので、満額の772,800円(2014年度)の場合には年額540,960円に減額されます。

一方、支給を70歳まで繰り下げると142%へと増額されるので、同じく満額の772,800円(2014年度)の場合1,097,376円に増額されることになります。

75歳、80歳、85歳で死亡した場合の年金総支給額の概算はそれぞれ以下のようになり、当然ながら長生きをする人であれば繰下げ受給をした方が得になり、早死する人ほど繰り上げ受給をした方が得になります。

■支給開始年齢と各年齢に達した時の総年金額の比較

支給開始年齢 支給年金年額 各年齢に達した時の総支給年金額
75歳 80歳 85歳
65歳 772,800円 7,728,000円 11,592,000円 15,456,000円
60歳 540,960円 8,114,400円 10,819,200円 13,524,000円
70歳 1,097,376円 5,486,880円 10,973,760円 16,460,640円

※満額の年金額は772,800円で一定として試算

総支給年金額は、75歳くらいまでは60歳繰上げ受給が最も多いですが、80歳くらいになると65歳からの支給が最もお得になり、85歳以上長生きするようであれば70歳へ支給繰下げをした方が有利になります。

自分がいくつまで生きるかはわからないので何とも言えませんが、女性の平均寿命は約85歳といわれていますので、女性の方であれば繰下げ受給をすると得をする人が多いかもしれません。

その分、多くの人が定年退職する60歳から70歳までの生活費をどうするのかという問題はありますが、国民年金受給者は自営業の人が多いので、70歳まで現役で働いて、70歳以降は年金生活というスタイルもありなのかもしれませんね。


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