年金を担保にお金を借りる「年金担保貸付制度」の制度概要と注意点

公開日:2014年10月31日 最終更新日: 2017年6月24日

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

一般的に無職の人はお金を借りることができないので、年金生活をしている人もお金を借りられないと考える人もいますが、年金をもらっている人であれば、その年金を担保にしてお金を借りることができます。

年金を担保にしてお金を借りることを「年金担保貸付制度」といいますが、本記事では年金担保貸付制度の概要や条件、注意点を紹介します。


[スポンサーリンク]

年金担保貸付制度の制度概要

  • 支給される年金を担保にして借入をする
  • すでに年金を受給している人が利用できる
  • 借入可能額は10万円~250万円
  • 金利は通常の金融機関からの借入よりも低金利
  • 借入後、年金は福祉医療機構に直接入金されるようになる
  • 返済金額は1万円以上支給額の2分の1の間で選択

年金担保貸付制度とは、支給される年金を担保にすることを条件に貸付をする制度で、独立行政法人である「福祉医療機構」という機関が唯一行っています。

すでに年金を受給していて、生活保護を受給していない人や、年金を他の借入の担保にしていない人が利用することができます。

■年金担保貸付制度を受けられる対象者

  • すでに年金を受給している
  • 生活保護を受給していない
  • 年金を他の借入などの担保にしていない

年金を担保にすることで、10万円から250万円の範囲のお金を1万円単位で借りることができます。

借り入れする金額は、「受給する年金の範囲内」、「1回当たりの返済額の15倍以内の額」の借入でないといけないなどの条件があります。

年金担保貸付制度を利用すると、年金が福祉医療機構に直接入金されるようになり、返済金額を差し引いた金額が利用者に入金されるようになります。

■年金担保貸付制度利用後の返済イメージ
nenkin-tanpo01

そのため返済は年金支給のタイミングで行い、返済金額は1万円以上、年金支給額の2分の1の範囲内で設定して返済をしていきます。

金利は2014年10月末時点で、年金担保融資が1.6%、労災年金担保融資が0.9%となっており、非常に低金利で借入をすることができます。

年金生活に入っても急にまとまったお金が必要になることはあると思いますが、そのような時に低金利でまとまったお金を借りることができるのが年金担保貸付制度です。

年金担保貸付制度は、平成25年度には159,793件の融資が実行されており、1,157億円が貸付されています。

年金生活だとまとまったお金を調達するのはなかなか大変なので、そのような際にはぜひ活用したい制度ですね。

なお、高齢者の人がお金を借りる方法としてマイホームを死後に明け渡すことを条件にお金が支給されるリバースモーゲージという制度がありますので、お金が必要な場合にはこちらも参考にしてください。


民間の金融機関は禁止されている

  • 民間の金融機関が年金を担保にするのは違法で、そのような業者とは絶対に取引しない

年金担保貸付制度を利用する際に注意したいのは、制度を運営する独立行政法人「福祉医療機構」以外の金融機関とは取引をしないことです。

年金を担保にしてお金を貸すことは、公的な機関にのみ認められており、民間の金融機関は年金を担保にお金を貸すことを禁止されています。

そのため、もし年金を担保にしてもよいと言ってきた民間の金融機関があれば違法なことをしていることになり、違法なことをする業者と取引するとかなりの確率でトラブルに巻き込まれます。

年金は高齢者にとって最も大切な資産です。

万が一にも失うと、高齢者が後から取り戻すのは難しいですし、自分で稼ぐ術も限定的です。どんなに困っていても、年金を担保にしても良いと言ってくる民間の金融機関とは絶対に取引をしないようにしましょう。


現役世代は前借りできない

上述した通り、年金を前借りできるのはすでに受給権を得て年金をもらっている人だけです。

「年金の前借り」というと、将来もらえる年金を前借りできると思いがちですが、現役世代の人は年金を前借りすることはできません。

現役世代の人は保険を担保にお金を借りる「契約者貸付制度」を利用したり、クレジットカードのキャッシングや大手カードローンなどでお金のピンチを乗り切りましょう。

消費者金融のカードローンは金利が高いですが、プロミスやアコムをはじめて利用する人なら最大30日間の無利息期間があったりするので、短期間であればお得にお金を借りることができます。

翌月の給料などで乗り切れそうな場合はカードローンを利用うることを考えても良いと思います。


自分にあったお金の相談相手を見つける

老後のお金に対する不安を解消するには専門家に相談するのが一番で、特定の金融機関に属さないFPは大切なお金のことを相談する相手にぴったりです。

住んでいる地域や年齢、家族構成から自分にあった相談相手を探すことができるので、簡単に無料相談ができます。

FPを探して無料相談

サブコンテンツ

このページの先頭へ