年金の寿命が80年縮まったと言われる理由と「年金100年安心プラン」の前提

公開日:2014年11月1日

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日本の公的年金は2004年の年金改革の際に、「年金100年安心プラン」を打ち出し、「今後100年間は現役時代の収入の50%は保障する年金制度を維持する」という目標を掲げていました。

しかし、最近では100年安心と言っていた公的年金は20年も持たないのではないかとも言われ、急に年金の寿命が80年も縮まっています。

少子高齢化が進む日本の年金財政が苦しいのはわかりますが、それを踏まえて2004年に年金改革が行われ、100年安心プランを打ち出したのに、10年経過して年金の寿命が縮まったと言われる理由は何なのでしょうか。


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年金100年安心プランとその前提

年金100年安心プランは、少子高齢化による日本の年金財政悪化の流れを止めるために、2004年に行われた年金制度改革の際に打ち出されたスローガンで、年金財政を安定させて、国民に安心した老後を過ごせることを約束したものです。

具体的には現役世代の負担に上限を設けて、給付水準を無理のない範囲で切り下げていくことで、財政の健全化をするために行われました。

年金財政の安定化のための施策の一つとして年金積立金の活用がありました。

年金積立金による運用益を年金支払いにあてるというものですが、この時に想定していた利回りは年4.1%を維持するという前提でした。

この超低金利の中、毎年平均して4.1%の利回りを出すのは難しいことで、現にこの10年間は一度も達成できていません。

また年金保険料の納付率が悪いため、積立金は切り崩しを続けており、2006年の約150兆円あった積立金は2011年度には約112兆円まで減少しています。

  • 年金積立金は5年間で約40兆円も減少している

5年で約40兆円も年金積立金が減少しているので、あと20年もすると年金積立金がなくなってしまうのではないかと言われています。

年金の財源は、大きく「納付された保険料」「積立金」「国庫負担(税金)」ですので、そのうちの一つである年金積立金からの財源が期待できなくなると年金制度そのものの抜本的な見直しが必要になります。

かなり無理な利回りを前提に設定して計画された「年金100年安心プラン」は信用できるものではなく、すでにほころびが始まっています。

年金の財源には国庫負担、つまり税金が投入されているので、最悪税金の割合を増やすことで年金制度そのものが破たんするということはまず考えづらいですが、今後の保険料負担増や支給年金の減額は十分に考えられる状況です。

そのため、現役世代の人は「今」の年金世代がもらえる年金を参考にして老後のお金の準備をするのは危険です。

最悪公的年金が半分くらいの水準になったとしても生活ができるくらいの資金を準備しておかないと安心とは言えませんね。

早めに準備をしつつ、税制優遇などを活用して効率的に老後のお金の準備をしていきましょう。


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