船員保険の年金の支給要件と支給額と特例
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船員保険は船員のための社会保険制度のことで、船員用の厚生年金保険のような位置づけで昭和61年まで存在していました。
昭和61年4月に船員保険の年金部門は厚生年金保険と統合され、現在船員の人は一般的な会社員と同じ厚生年金保険に加入しています。改正後の船員保険は職務上の理由による障害給付や遺族給付を行うようになりました。
船員保険加入者の厚生年金保険の被保険者期間の計算方法
船員保険の年金部門は厚生年金保険と統合されていますが、過去船員保険に加入していた期間は、厚生年金保険を計算する際には以下のように加入期間を増加した後に計算をする特例があります。
- 昭和61年4月1日までの期間:加入期間を4/3倍して計算
- 昭和61年4月1日から平成3年3月31日までの期間:加入期間を6/5倍して計算
実際の加入期間より多く計算することになりますので、受給資格を得る上でも年金の金額上も有利になります。
支給要件の特例
過去船員保険の被保険者だった人には、支給要件の特例があります。
35歳に達した月以降の船員保険の被保険者期間が一定期間以上ある場合、特例として老齢厚生年金や老齢基礎年金の受給資格を得ることができます。
老齢厚生年金や老齢基礎年金の受給資格を得るために必要な船員保険被保険者期間は、生年月日によって異なり以下のようになっています。
■年金受給資格を得るための船員保険被保険者期間
生年月日 | 被保険者期間 |
---|---|
~昭和22年4月1日 | 15年 |
昭和22年4月2日~昭和23年4月1日 | 16年 |
昭和23年4月2日~昭和24年4月1日 | 17年 |
昭和24年4月2日~昭和25年4月1日 | 18年 |
昭和25年4月2日~昭和26年4月1日 | 19年 |
支給開始年齢の特例
また、支給開始年齢についても特例があり、船員保険の加入期間が15年以上あり、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている場合、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は以下のようになります。
生年月日 | 支給開始年齢 |
---|---|
~昭和21年4月1日 | 55歳 |
昭和21年4月2日~昭和23年4月1日 | 56歳 |
昭和23年4月2日~昭和25年4月1日 | 57歳 |
昭和25年4月2日~昭和27年4月1日 | 58歳 |
昭和27年4月2日~昭和29年4月1日 | 59歳 |
昭和29年4月2日~昭和31年4月1日 | 60歳 |
生年月日によって、55歳から60歳までの支給開始年齢となります。
上記を除くと、国民年金、厚生年金保険の老齢年金と同様の計算によって支給金額が計算されることになります。
船員保険加入者の障害年金、遺族年金
上述した通り、船員保険の年金部門は厚生年金保険と統合されており、以前船員保険に加入していた人には特例がありますが、これから船員になる人は普通の会社員と同じ厚生年金保険に加入することになります。
老齢年金だけでなく障害年金、遺族年金についても厚生年金に加入している人と同じ受給要件、支給額になります。
なお、厚生年金保険の障害年金、遺族年金の対象になるのは、職務外の理由で障害を負ったり死亡した場合のみで、職務中の事故等で障害を負ったり死亡した場合は労災保険の対象となります。
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