自営業者の年金や、老後のお金を増やす方法と働き続けるという選択
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
日本の公的年金制度は働き方によって加入する年金が異なります。そのため各職業によってどのような年金がもらえて、活用できる制度が何なのかを理解しておくことは非常に重要です。
本記事では「自営業」の人の年金の基本や、年金を増やす方法について紹介します。
自営業者の年金の基本(公的年金)
- 自営業の人は第1号被保険者となる
- 加入する年金は国民年金のみで満額でも年772,800円
- 保険料は自分で納める
- 経済的に苦しい場合は免除制度が使える
自営業の人は年金制度上「第1号被保険者」となり、国民年金に加入することになります。
国民年金は収入や人によらず、一定の保険料と納付した期間に応じた年金額になっていて、毎年物価の変動や年金財政の状況を見て調整されます。
2014年度の保険料は月額15,250円となっています。
受け取ることのできる年金は、40年保険料を納めていれば満額の年772,800円を受け取ることができます。
支給される年金は保険料を納めていた期間に応じて支給されるので、仮に30年(360か月)分しか保険料を納めていない場合には、満額の4分の3の579,600円が支給されます。
なお、給料から天引きされるサラリーマンとは違って、自営業の人は国民年金保険料を自分で納める必要があります。
年金を自分で支払うことから、「年金なんて信じられない」と考え、意識的に保険料を滞納している人が自営業の人には多いですが、年金保険料を支払うのは国民の義務ですし、国民年金は老後の収入の保障だけでなく障害時や死亡時の保障も兼ねているので、年金は納めておいた方が得です。
保険料を支払う方法は口座振替、クレジットカード、納付書による支払いがあり、口座振替の場合は割引を受けることができ、クレジットカードで支払うとポイントなどで得をすることもできます。
自営業の人は仕事の状況によっては、経済的に保険料を支払うのが難しい時期もあるかと思いますが、そのような場合には収入に応じて保険料の納付を免除してくれる免除制度があります。
先ほど述べた通り、年金を未納にするのは非常にもったいないので、経済的に保険料を支払うのが厳しいという方はこの免除制度を活用しましょう。
自営業者が年金を増やす方法
自営業の人は、何もしていないときちんと保険料を納めていても国民年金しかもらえません。国民年金だけでは老後の生活は厳しいので何かしら老後のお金を増やすことを考えておくと良いでしょう。
繰下げ受給
自営業の人が年金を増やす方法としては、まず繰下げ受給があります。受給開始を遅らせることで受給時の年金を増やすことができます。
自営業者には定年はなく働き続ける人も多いので、元気なうちは年金をもらうのを我慢して繰下げ受給をすることで将来的に多く年金を受け取ることができます。長生きすればするほど得するので、健康に自信のある方は繰下げ受給を活用すると良いでしょう。
付加年金
付加年金は第1号被保険者だけが使える年金を増やす手段です。月額400円保険料を上乗せすることで、将来の年金額を「200円×付加年金の納付月分」増やすことができます。
わずかな負担で確実に最大10万円近く年金を増やすことができるので、年金を増やしたいと考える方は利用すると良いでしょう。
後納制度の活用
また、未納期間がある人は後納制度を使って年金額を増やすことも考えましょう。年金の保険料には時効があり、未納だった場合過去2年分しか保険料を後から払うことはできないのですが、後納制度は10年前までさかのぼって保険料を納めることができる制度です。
平成24年10月1日から平成27年9月30日までの3年間限定ですが、未納期間がある人は、後納することで年金の受給資格を得たり、年金額を増やすことができます。
各年金制度・共済制度の活用
追加で保険料を拠出して年金額を増やすこともできます。
自営業者の人であれば国民年金基金や小規模企業共済、確定拠出年金を利用できます。いずれも税制優遇がある制度なので、制度を確認しつつ自分にあったものを利用しましょう。
国民年金基金と確定拠出年金は拠出額の上限を共有しているので、2つの合計が毎月68,000円以内にする必要があります。
さらに、国民年金基金は付加年金と同時に利用することができないので、どちらか一方を選択して利用することになります。付加年金を利用している方は確定拠出年金であれば利用できますので利用しましょう。
年金以外に老後のお金を準備する方法
自営業の人が、年金・退職金以外にお金を準備する方法は老後も働くことです。
- 自営業の人は働くことで老後のお金を稼ぐことができる
自営業者には定年というものがありません。そのため、お金が足りなければ働き続けることで稼ぐことができます。
働くのが嫌な人はお金を準備しておく必要がありますが、自営業の人は仕事を楽しんで生きがいとしている人も多く、健康でいる限り働く「生涯現役」という人は多くいますね。
会社員の人は定年後に再就職しようと思っても、なかなか厳しいですし、それが本当にやりたい仕事でない時もあるので、現役時代と同じ仕事ができるというのは、自営業の大きなメリットといえます。
とはいえ、体に支障が出た時にやめられないというのは厳しいので、仕事を続けるにしても、上で紹介したような年金を増やす方法などを利用して、何かしら老後の備えはしておく必要があります。
自営業の人は公的年金が会社員の人よりも少ないですが、その分自分で年金を作る方法も多く用意されていますので、自分にあった方法で老後のお金の準備をしっかりしておきましょう。
働く以外の方法で、一般的な公的年金以外のお金の準備の仕方は、別の記事でも紹介していますのでぜひ参考にしてください。
自分にあったお金の相談相手を見つける
老後のお金に対する不安を解消するには専門家に相談するのが一番で、特定の金融機関に属さないFPは大切なお金のことを相談する相手にぴったりです。
住んでいる地域や年齢、家族構成から自分にあった相談相手を探すことができるので、簡単に無料相談ができます。