自営業者など第1号被保険者の年金を増やす国民年金基金の活用方法と注意点

公開日:2014年10月17日

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国民年金や厚生年金という基本的な年金だけでは老後の生活が不安という方は、国民年金基金や厚生年金基金に加入することで年金を増やすこともできます。


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国民年金基金の種類は大きく2種類

加入している年金が国民年金のみという第1号被保険者の人が年金を増やしたい場合には国民年金基金に加入することになります。

国民年金基金には「地域型」と「職能型」という2種類の基金があります。

■国民年金基金は2種類

  • 地域型国民年金基金:各都道府県に1つあり、その都道府県に住んでいれば加入できる
  • 職能型国民年金基金:職種ごとに25種類あり、同じ職種の人であれば加入できる

地域型の国民年金基金は各都道府県に1つずつあり、都道府県に住所があれば加入することができる国民年金基金です。

一方職能型の国民年金基金は職種ごとに設立されている国民年金基金で、同じ職種の人であれば加入することができる国民年金基金です。

どちらの年金基金も内容は同じですが、どちらか一つしか加入することができません。


掛け金も給付のスタイルも自由に選べる

国民年金基金は口数で加入する形になっていて、1口の値段が決まっています。

好きな口数に加入することができますので、自分が許容できる保険料や必要な年金額と相談して加入する口数を選択するようにしましょう。

給付方法は一生給付が続く終身型と年金が支払われる期間が決まっている確定給付型があります。その中でも保証期間という考え方があり、保証期間がついていると途中で被保険者が死亡した場合にも年金が支払われます。

国民年金基金は、終身型と確定給付型でそれぞれ以下の給付方法の年金が用意されており好きな年金に加入することができます。

■国民年金基金の種類

  • 終身年金(保証期間15年)
  • 終身年金(保証期間なし)
  • 確定給付年金(65歳支給開始、保証期間15年)
  • 確定給付年金(65歳支給開始、保証期間10年)
  • 確定給付年金(60歳支給開始、保証期間15年)

加入する口数によって、保険料や支給される年金を調整することができ、給付方法も好きな年金を選ぶことができるので、個人年金保険のように自分にあった年金を準備することができます。

なお、男性と女性では女性の方が長生きのため、女性の方が年金の保険料が高くなっています。


掛け金が全額社会保険料控除の対象になる

国民年金基金の最大のメリットは掛け金が全額社会保険料控除の対象になって、所得から控除されることです。

全額所得控除されることで、税率20%の人が年間60万円拠出したとすると、60万円×20%=12万円の税金が優遇されたことになります。

拠出した金額の税率分は得することになりますので、普通に投資をするよりも断然効率が良くなります。

なお、国民年金基金は月額68,000円を上限に拠出が可能になっていますが、この上限は確定拠出年金と合算した金額ですので、確定拠出年金に加入している人は注意が必要です。


国民年金基金を利用する際の注意点

税制優遇もあり、年金を増やしたい時には便利な国民年金基金ですが、利用する際には以下の注意が必要です。

■国民年金基金の注意点

  • 国民年金の未納期間の年金は受け取れない
  • 中途解約できない
  • 掛け金の上限が確定拠出年金と合算した金額になる
  • 付加年金と同時に利用できない

まず、国民年金の未納期間に国民年金基金だけ保険料を拠出しても、その期間の年金は受け取れません。

国民年金基金はあくまで国民年金の上乗せという位置づけのため、国民年金の受給資格があることが前提になります。

そのためある月に国民年金の保険料を滞納し、国民年金基金のみ拠出した場合は、その期間の国民年金基金の年金は受け取ることができません。

国民年金基金の年金を受け取るには同じときの国民年金の保険料を支払う必要があると覚えておきましょう。

また、中途解約ができない点にも注意が必要です。

急にお金が必要になった時にこれまで拠出した金額を引き出したい場合もあるかと思いますが、原則中途解約はできません。

中途解約はできませんが、払い込みの一時中断や減額はできますので、保険料の支払いがつらくなった場合には払い込みの一時中断や減額を検討しましょう。なお、当然ですが一時中断や減額をした場合は年金もそれに応じて減額されることになります。

また、上述した通り、国民年金基金には掛け金の上限がありますが、この掛け金の上限は確定拠出年金と合算した金額になります。そのため確定拠出年金を活用している方は注意が必要です。

さらに国民年金基金は付加年金と同時に利用できないしくみになっています。

付加年金は払い込む保険料を増額することで、もらえる年金が増える制度ですが、国民年金と同時に利用することはできません。

すでに付加年金を利用していて国民年金基金を利用したい場合は、国民年金基金に加入する前に付加年金をやめる必要があります。


国民年金基金は自営業者の心強い味方

国民年金基金の特徴や注意点を見てきました。

掛け金には税制優遇があるので、民間の個人年金保険よりも有利なことも多く、公的年金の不安がある第1号被保険者にとってはとても心強い制度といえます。

上述した通り、年金を増やしたい時に活用したい付加年金や、税制優遇のメリットが大きい確定拠出年金など、有利な年金制度と同時に利用するのには条件があるため、これらと比較してどの制度を活用するかを検討する必要があります。

付加年金や確定拠出年金と合わせて、年金を増やしたい時にまず検討したい制度といえます。


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