老齢厚生年金の年金支給額の計算方法と加給年金
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
老齢厚生年金は原則65歳から支給されますが、生まれた年によっては60歳から厚生年金の特別支給という形で支給されます。
そのため、65歳からの老齢厚生年金と、60歳から支給される厚生年金の特別支給では年金額の計算方法が異なります。本記事では、65歳から支給される老齢厚生年金の支給額の計算方法を紹介します。
老齢厚生年金の年金額の計算方法
老齢厚生年金の支給年金額は以下の計算式により算出されます。
■老齢厚生年金の支給額の計算式
- 老齢厚生年金:老齢基礎年金+報酬比例年金+加給年金
老齢基礎年金部分
老齢厚生年金は大きく、老齢基礎年金部分と報酬比例年金部分にわかれます。
老齢基礎年金は、国民年金のみに加入している人の老齢年金と同じで、厚生年金および国民年金の保険料を納めた期間に応じて支給される年金額が決まります。
2014年度は満額が772,800円ですので、納付可能期間の40年に対して保険料を納めた期間と免除期間の占める割合をかけることで、老齢基礎年金部分を算出することができます。
報酬比例部分
国民年金のみに加入している人は老齢基礎年金のみですが、厚生年金に加入している人は報酬比例年金といって、収入に応じて納めた保険料をもとに支給される年金額があります。
報酬比例部分は納めた保険料の額によって年金額が異なります。
■老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式
- 平均標準報酬額 × 給付乗率 × 被保険者期間(月数)
なお、厚生年金の報酬比例部分の計算式は平成15年4月から改正され、平成15年4月以降は賞与額も標準報酬額に算入する総報酬制に変更されています。そのため実際に計算をする際には平成15年3月以前と平成15年4月以降で分けて計算をする必要があります。
給付乗率は保険料に対する年金額という意味だけでなく、物価の変動や賃金の増減を反映させており、物価の変動も加味して給付額を計算しています。
加給年金
老齢厚生年金は、老齢基礎年金部分と報酬比例部分のほかに加給年金という年金額を加算します。
加給年金とは、老齢厚生年金定額部分の支給開始年齢に達した時に、その人に生計を維持されている被扶養配偶者や子供がいる場合に加算される年金のことです。
- 加給年金とは、生計を維持している被扶養配偶者や子供がいる場合に加算される年金
なお、加給年金は厚生年金の被保険者期間が20年以上、または40歳(女性は35歳)以後15年ある人が対象になります。
加算される加給年金は、扶養している家族によって、以下の金額が加算されます。
■加算される加給年金
対象者 | 加算年金額 | 年齢制限 |
---|---|---|
配偶者 | 222,400円 | 65歳未満(大正15年4月1日以前生まれには年齢い制限なし) |
子供(1人、2人目) | 222,400円 | 18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子 |
子供(3人目以降) | 74,100円 |
なお、配偶者の加給年金は、老齢厚生年金を受ける人の生年月日に応じて、32,800円から164,000円がさらに特別加算されます。
老後のお金を自分で準備する必要性
このように、老齢厚生年金は「老齢基礎年金」「報酬比例部分」「加給年金」を合計した金額が支給されます。
国民年金のみに加入している人は老齢基礎年金しか受給できないことを考えると、厚生年金に加入している人はかなり手厚い年金になっています。
とはいえ、老後のお金は公的年金だけでは足りないといわれており、比較的恵まれている厚生年金だけでも十分とは言えない状況です。また年金財政は苦しいので、年金の減額や受給年齢の更なる繰下げも十分に考えられます。
老後のお金を何も準備しないのは危険ですので、現役世代の時から老後のお金を意識して、公的年金以外に自分でも準備するように心がけたいですね。
自分にあったお金の相談相手を見つける
老後のお金に対する不安を解消するには専門家に相談するのが一番で、特定の金融機関に属さないFPは大切なお金のことを相談する相手にぴったりです。
住んでいる地域や年齢、家族構成から自分にあった相談相手を探すことができるので、簡単に無料相談ができます。