老齢厚生年金の受給要件・支給が開始される年齢と厚生年金の特別支給
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厚生年金に加入している人が老後にもらえる年金を老齢厚生年金といいますが、国民年金のみに加入する人がもらえる老齢基礎年金と比較して、受給要件や支給開始時期に違いはあるのでしょうか。
本記事では、老齢厚生年金の受給要件や支給開始時期について紹介します。
老齢厚生年金の受給要件
老齢厚生年金も老齢基礎年金と同じく、原則65歳から支給開始になり、老齢基礎年金の受給資格と同じ25年の受給資格期間がある人に老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金が支給されます。
ただし、60歳からでも以下の条件を満たしている人に対しては65歳になるまで、特別支給の老齢厚生年金が支給されることになっています。
■特別支給の老齢厚生年金が支給される条件
- 老齢基礎年金の受給に必要な資格期間を満たしている
- 厚生年金の被保険者期間が1年以上ある
特別支給の老齢厚生年金とは、元々60歳から支給がされていた厚生年金が、年金財政の悪化により、受給年齢の引き上げを行う際に設けた時限措置のようなもので、平成25年度から始まり、受給開始年齢は3歳ごとに1年引き上げられています。
■特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢の引き上げスケジュール
出典:政府広報オンライン
老齢厚生年金の支給開始時期
上述した通り、老齢厚生年金の支給開始年齢は原則65歳となっています。
- 老齢厚生年金は原則65歳から支給開始
- 生まれた年によっては、厚生年金の特別支給として最短60歳から受け取れる人もいる
特別支給については、60歳から受給開始になりますが、受給開始年齢は段階的に引き上げられています。
男性は昭和24年4月2日生まれ以降、女性は昭和29年4月2日生まれ以降から厚生年金の受給開始年齢の引き上げが始まり、男性昭和36年4月2日生まれ以降、女性昭和41年4月2日以降生まれの人からは厚生年金の特別支給がなくなり、すべての人が65歳から受給開始となります。
国民年金と同じく繰上げ受給、繰下げ受給が可能になっているので、繰上げ受給をする人は最短60歳から年金の受取を開始することができます。
このように老齢厚生年金は、受給要件は老齢基礎年金と似た制度になっていますが、支給開始時期はすでにすべての人が原則65歳となっている老齢基礎年金と比べて、特別支給があるため60歳から年金を受け取っている人が多くいて、その点が老齢基礎年金と老齢厚生年金における違いといえます。
国民年金と厚生年金を比較すると、いかにサラリーマンが年金面で恵まれているかがわかりますね。
その他の国民年金と厚生年金の違いについては別の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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