滞納者は要チェック!国民年金の免除申請が過去2年さかのぼることが可能になった
国民年金では収入が一定以下の人の場合には、保険料の一部または全額の納付を免除してもらえる「免除制度」があります。
これまで免除の申請は毎年度必要で、年度をさかのぼって申請をすることはできませんでしたが、2014年4月に制度が改正されて免除申請が可能な期間が拡大されました。
免除制度を利用することで、免除されている期間は年金の受給資格期間にカウントされ、年金の加入期間としても一部加算される有利な制度です。
そのため過去の期間についても免除できるものはした方が良いので、過去に滞納期間があった方は今回の制度改正を自分が活用できるか確認しておきましょう。
国民年金の免除申請を2年間さかのぼってすることができる
- これまで国民年金の免除申請を過去にさかのぼって行うことができるのは、直近の7月までだった
- 2014年からは保険料の納付期限から2年以内の期間の免除申請が可能になる
国民年金の免除の申請は7月を起点として毎年度必要になっており、各年の7月から翌年6月までの間にその年度の免除申請をする必要がありました。
そのため、過去分にさかのぼって免除申請ができるのは、同一年度となる直前の7月まででした。
2014年4月からは免除申請期間の拡大がされ、保険料の納付期限から2年が経過していない期間については、過去にさかのぼって免除申請ができるようになりました。
例えば、2012年5月分の保険料は、納付期限が翌月末の2012年6月30日となり、その2年後となる2014年6月30日が免除申請期限となります。(月末が土日祝日の場合は月末最終営業日が免除申請期限となる)
つまり、申請時点から2年1か月前までの保険料の免除申請が可能になります。
2012年5月分の保険料の場合、これまでは2012年の6月末までに免除申請をしないと免除を受けることができませんでしたので、その差は2年となり、かなり大きいですね。
保険料の期間と免除申請期限が改正前後でどう変わるかを以下にまとめましたので参考にしてください。
■保険料期間と免除申請期限の変更イメージ
保険料期間 | 免除申請期限 | |
---|---|---|
改正前 | 改正後 | |
2012年4月 | 2012年6月30日 | 2014年5月31日 |
2012年5月 | 2012年6月30日 | 2014年6月30日 |
2012年6月 | 2012年6月30日 | 2014年7月31日 |
2012年7月 | 2013年6月30日 | 2014年8月31日 |
2012年8月 | 2013年6月30日 | 2014年9月30日 |
2012年9月 | 2013年6月30日 | 2014年10月31日 |
※月末が非営業日であることは考慮せず
ただし、過去にさかのぼって免除申請をして有効になるのは、将来の老齢年金の受給資格と年金額です。保険料を滞納してから免除申請をするまでの間に障害を負った場合には、障害を負った後に免除申請をしたとしても障害年金を受け取ることができません。
そのため免除制度があるからと滞納を続けるのは危険で、免除制度を利用する場合には速やかに申請をすることが重要です。
- 滞納期間中は、障害年金などの保障が受けられなくなるので免除申請は早めにすることが重要
学生納付特例、若年者納付猶予、失業による特例免除も同様に拡大
国民年金保険料の免除・猶予制度は、収入に応じた全額、一部免除のほかに、学生納付特例や若年者納付猶予、失業による特例免除がありますが、これらの免除・猶予制度の申請期間も同様に拡大されます。
免除申請期限はともに保険料の納付期限から2年間になり、他の免除制度と同様になります。
■各免除・猶予制度の免除申請期限
- 学生納付特例 :保険料の納付期限から2年
- 若年者納付猶予 :保険料の納付期限から2年
- 失業による特例免除:保険料の納付期限から2年
失業の特例免除については申請時点の前年度4月以降に失業をしていることが申請を行う条件となります。
申請にあたっては、各免除制度に応じた免除申込書を提出する必要があります。最寄りの年金事務所で入手するか、以下の日本年金機構のページから取得することができます。
所得条件の審査がありますが、経済的に苦しく保険料の支払いが難しい場合はダメもとでも免除の申請をしてみると、保障を受けられる可能性が増します。
保険料を滞納されていた方は、この機会に過去の免除申請を検討されてみてはいかがでしょうか。
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