年金と関係する「社会保険」の意味と増加する社会保険料負担の推移
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年金という言葉と同じくらい良く聞く「社会保険」という言葉ですが、具体的に何のことを指しているのかわからない人も多いと思います。
本記事では年金と密接な関係にある社会保険の意味と、年金との関係を紹介したいと思います。
「年金」は「社会保険」の一部
一般的に社会保険というと、健康保険と年金の2つを指します。
会社で働いていて、社会保険に入っているというのは企業が負担する健康保険と、年金(厚生年金)制度への加入を指しますね。
国レベルでも同様に社会保険は年金制度と健康保険制度を指します。
健康保険は年金制度同様、会社員の人は協会けんぽや健康保険組合といった別の健康保険に加入することになり、自営業の人や無職の人が加入する国民健康保険と比べると、高額療養費の自己負担などの面で有利になっています。
年金制度は自営業や無職の人は第1号被保険者として国民年金のみに加入していますが、厚生年金に加入している会社に勤める会社員の方は第2号被保険者として厚生年金に加入しています。
職業による社会保険の違いをまとめると以下のようになります。
■職業による社会保険の違い
社会保険 | 自営業・無職など | 会社員 |
---|---|---|
健康保険 | 国民健康保険 | 協会けんぽ健康保険組合 |
公的年金 | 国民年金 | 厚生年金 |
会社員は健康保険組合や厚生年金への加入手続きや保険料支払いは会社が手続きをしてくれるので、会社員の中で別の健康保険や年金に加入しているという自覚はない人がほとんどですね。
年金制度は、国民年金のみの人は月で約7万円程度の支給で夫婦で約14万円程度ですが、厚生年金に加入している人の年金は夫婦で月23万円ともいわれ大きな違いがあります。
職業によって社会保険の保障は大きく異なり、健康保険、年金制度いずれも自営業者よりも会社員の方が手厚くなっています。
膨らむ社会保険費用
日本の社会保険にかかわる費用は年々増加してきています。
社会保険料は収入における割合で決まっていますが、健康保険、厚生年金の保険料率は以下のように推移しています。
■社会保険料の推移
年度 | 健康保険 | 厚生年金 |
---|---|---|
平成16年 | 8.20% | 13.934% |
平成17年 | 8.20% | 14.288% |
平成18年 | 8.20% | 14.642% |
平成19年 | 8.20% | 14.996% |
平成20年 | 8.20% | 15.350% |
平成21年 | 8.20% | 15.704% |
平成22年 | 9.34% | 16.058% |
平成23年 | 9.50% | 16.412% |
平成24年 | 10.00% | 16.766% |
平成25年 | 10.00% | 17.120% |
平成26年 | 10.00% | 17.474% |
平成27年 | 10.00% | 17.828% |
平成28年 | 10.00% | 18.182% |
平成29年 | 10.00% | 18.300% |
※健康保険料は協会けんぽの保険料率(平成21年以降は全国平均)を掲載
健康保険料、厚生年金の保険料率がともに上がっていることがわかります。
原因にあるのは少子高齢化により現役世代が減り、高齢世代が増えていることからきています。
- 少子高齢化が進む日本では、健康保険料、年金保険料がともに上がり、現役世代の負担は高まるばかり
年金は現役世代の保険料が高齢者の年金となっているので、人口構成が変わると高齢者の年金を維持するためには現役世代の保険料を上げていくしかありません。
また、健康保険の保険料も、医療費が多い高齢者が増えたことなどにより医療費の増加が続いていて、保険料のもととなる賃金の伸びを上回っているため保険料率を上げるしかありません。
ただでさえ収入が上がりづらい環境の中、収入に占める社会保険料の割合は年々高まっていて、現役世代の負担は高まるばかりです。
社会保険料の負担が高まると、老後のお金についてもためづらい環境にあるといえるので、税制優遇などを活用して効率的にお金を準備していきたいですね。
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