国民年金保険料の後納制度で年金受給資格を得たり、年金を増やす
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国民年金の受給資格を得るには、25年間の保険料を支払った期間(受給資格期間)が必要になります。
色々な事情があって保険料を支払えなかった期間があり、受給資格期間に足りない人は後から保険料を支払うことができます。
年金の保険料支払いには時効がある
後納制度を理解する上で、まずは年金保険料の時効を理解する必要があります。
年金保険料は、原則納付期限を過ぎてから2年間が経過すると時効となり、
保険料を後から納めることができなくなります。
■年金保険料が時効となる場合
- 納付期限から2年間が経過した保険料
そのため、受給資格期間が足りずに後から保険料を納めようと思っても、時効で時すでに遅しというケースがあります。
国民年金保険料の後納制度
このように納め忘れた保険料は、2年が経過すると原則時効となりますが、国民年金保険料の納付率を上げるため、特別に後から納付できる期間を拡大する「後納制度」ができました。
国民年金保険料の後納制度は平成24年10月1日から平成27年9月30日までの3年間に限り、過去10年間に納めていない保険料をさかのぼって納付することができる制度です。
■国民年金保険料の後納制度
- 過去10年間に納めていない保険料をさかのぼって納付することができる制度(平成24年10月1日から平成27年9月30日までの3年間限定)
これにより時効になった期間の保険料についても納付をすることができるようになり、受給資格期間が足りない人は受給資格を得ることができ、受給資格期間を満たしている人も年金額を増やすことができます。
後納制度を利用できる人は過去10年以内に第1号被保険者として、また任意加入期間に未納期間がある人です。
■後納制度を利用できる人
- 20歳以上60歳未満の人:10年以内の未納期間がある人
- 60歳以上65歳未満の人:10年以内の未納期間がある人、任意加入中の納め忘れがある人
- 65歳以上の人 :年金受給資格がなく、10年以内の未納期間がある、任意加入中の納め忘れがある人
後納制度を利用する方法
後納制度を利用するには、2015年9月30日までに「国民年金後納保険料納付申込書」に必要時効を記載して、年金事務所に直接持っていくか郵送することで、保険料を後納することができます。
「国民年金後納保険料納付申込書」は日本年金機構から対象者に「お知らせ」と一緒に送付されていて、お知らせを確認することで納付可能期間と納付状況を知ることができます。
■通知書のサンプル
出典:日本年金機構
上記の「○」と「△」が後納可能な期間を表していて、「○」は後納保険料の納付が可能な期間で、「△」は国民年金の加入手続きを行っていないと思われる期間などで記録を確認する必要があります。
後納制度で納付する保険料
後納制度で納付する保険料は、元々の保険料に政令で定められた額を加算した金額です。
■後納制度で納付する保険料
- 元々の保険料に政令で定められた額を加算した金
国民年金保険料の額は年度ごとに固定ですので、後納する保険料も人によって違いはありません。
各年度の元々の保険料、加算額と後納する保険料は以下の通りです。
■後納制度で納付する保険料
年度 | 元々の保険料 | 政令で定める加算額 | 後納する保険料額 |
---|---|---|---|
平成16年度 | 13,300円 | 1,450円 | 14,750円 |
平成17年度 | 13,580円 | 1,210円 | 14,790円 |
平成18年度 | 13,860円 | 980円 | 14,840円 |
平成19年度 | 14,100円 | 780円 | 14,880円 |
平成20年度 | 14,410円 | 590円 | 15,000円 |
平成21年度 | 14,660円 | 410円 | 15,070円 |
平成22年度 | 15,100円 | 240円 | 15,340円 |
平成23年度 | 15,020円 | 110円 | 15,130円 |
平成24年度 | 14,980円 | 0円 | 14,980円 |
年金をもらいたい人、増やしたい人は要件等
保険料の後納制度の内容を見てきました。
年金保険料には時効があるので、一度保険料の納付を逃してしまうと、受給資格を得たくても年金を増額させたくても支払うことはできませんでしたが、後納制度によってこれらの人たちにも年金を受給・増額するチャンスが訪れました。
後納制度は平成24年10月1日から平成27年9月30日までの3年間限定の制度で、またチャンスがあるかもしれませんが、次がいつ来るかはわかりません。
後納制度は開始して2年間で1,167,117件の申込書が受付されており、多くの人が利用されているようです。
後納制度の対象になる方で、年金の受給資格を得たい人や年金を増額したい人はこの機会に後納制度を使って保険料を納付するようにしましょう。
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