国民年金に加入する自営業者が受けられる独自の年金給付制度(付加年金・寡婦年金・死亡一時金)
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国民年金のみに加入している第1号被保険者の人は、厚生年金に加入している第2号被保険者に比べて、年金の給付額をはじめとした保障が薄くなっていますが、第1号被保険者だけが受けられる独自の給付制度もあります。
第1号被保険者が受けられる独自給付制度
第1号被保険者が受けられる独自の給付には、「付加年金」「寡婦年金」「死亡一時金」があります。
■第1号被保険者が受けられる独自給付
- 付加年金
- 寡婦年金
- 死亡一時金
付加年金
付加年金とは、毎月の保険料を400円上乗せして支払うことで、支給される年金を上乗せすることができる制度です。
保険料を毎月400円上乗せすることで、付加保険料を納付した月数×200円の年金を上乗せすることができます。
- 付加年金は毎月400円保険料を多く支払うことで、将来の年金の上乗せができる
- 上乗せされる年金額は「200円×付加保険料納付月数」
仮に10年間付加年金を支払った場合、400円×10年×12か月=48,000円保険料を多く支払ったことになりますが、もらえる年金は200円×120か月=24,000円が毎年増えることになりますので、2年間年金を受け取ったら元を取ることができ、その後は毎年200円×加入月数分の得をすることになります。
長く付加年金を支払っていた方が得することになり、最大40年間付加年金を支払っていたとすると、200円×40年×12か月=96,000円も年金額を上乗せすることができます。
第1号被保険者の年金額は満額でも772,800円ですので、15%ほど年金額の上乗せをすることができます。月に1万円近く年金が増えることになるのでかなり大きな加算になりますね。
付加年金は定額で上乗せされる年金ですので、インフレリスクがありますが、逆にいうと基礎年金部分のようにマクロ経済スライド方式によって減額されることもありません。
なお、同じく年金額を増やす制度である国民年金基金とは同時に加入することができませんので、どちらかを選択する必要があります。
寡婦年金
寡婦年金は遺族年金の一種で、第1号被保険者として25年以上の保険料納付期間がある人が亡くなった時に、10年以上の婚姻関係(事実婚含む)があった妻に60歳から65歳の間に支払われる年金のことです。
- 寡婦年金は第1号被保険者の夫をなくした妻に対して、60歳から65歳の間に支払われる年金
支払われる年金額は、夫の第1号被保険者期間で受け取ることのできる年金額の4分の3が支払われます。
ただし、寡婦年金は、夫を亡くした収入のない妻を救済するための措置ですので、妻自身が老齢基礎年金の繰り上げ支給をしている場合には寡婦年金は支給されません。
死亡一時金
死亡一時金は、第1号被保険者として保険料を納めた月数が36か月以上ある人が老齢基礎年金、障害基礎年金を受け取らないまま亡くなってしまった場合、掛け捨てを防ぐために遺族に一時金が支払われます。
- 死亡一時金は、老齢基礎年金、障害基礎年金を受け取らないまま亡くなってしまった場合に遺族に支払われる12万円から32万円の一時金
死亡一時金は保険料を納めた月数に応じて12万円から32万円が支払われます。
支払われるのは生計を一にしていた家族で、配偶者、子供、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順に優先順位があり、最上位の人に支払われます。
■死亡一時金が支払われる優先順位
- 配偶者
- 子供
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
以上が、第1号被保険者の人が活用できる独自の年金給付制度です。
自営業者で年金を増やしたい人は「付加年金」活用する
第1号被保険者が利用できる独自の制度を見てきました。
寡婦年金、死亡一時金はともに保険料を支払ったのに保障を受けずに亡くなってしまった場合の「掛け捨て」を防ぐもので、遺族に対して保障がされる制度です。
活用するという意味では、ともに加入者の死亡時の保障ですので、どうすることもできず、制度があるということを認識する程度で十分でしょう。
「年金を増やす」という観点では、積極的に活用したいのが「付加年金」です。
毎月400円の負担でほぼ確実に総支給年金額を増やすことができ、長く付加年金を払えば払うほどに得する額が大きくなってきます。
サラリーマンなどの第2号被保険者に比べて保障が手厚くない第1号被保険者にとっては数少ない年金を増やすチャンスですので、自営業者で将来の年金を増やしたいという方はぜひ活用しましょう。
- 自営業者で年金を増やしたい人は「付加年金」活用する!
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