国民年金と厚生年金の平均受給額と夫婦の老後の収入
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厚生年金は収入によって、国民年金は加入期間によって支給される年金が変わってきます。そのため、収入や年金加入期間によって人それぞれ受け取ることのできる年金は異なります。
国民年金の支給額は満額で年額772,800円支給されるので、その金額をベースに老後のお金の話をすることが多いですが、実際はどれくらいの金額をみなさん受給しているのか気になる方は多いと思います。
そこで本記事では国民年金と厚生年金の平均受給額を見ていきたいと思います。
国民年金の平均受給額
- 国民年金の平均受給額は月に5.4万円
- 国民年金のみの人の平均受給額は5万円以下
平成24年度の国民年金の毎月の平均受給額は54,783円です。
第1号被保険者には、国民年金のみに加入してきた人と、以前は会社勤めをしていたなどの理由で、一時期厚生年金に加入した後国民年金に加入している人がいます。
一時期でも厚生年金に加入していた人は、国民年金の保険料のみでなく一部厚生年金を受け取ることができます。
そういう人を除いて、会社に就職することなく自営業を続けてきた人など、老齢基礎年金のみの人に絞ると平均受給年金は49,904円となって、月の受給額は5万円を下回っています。
■国民年金受給者の平均年金受給金額
年度 | 国民年金受給者全体 | 国民年金のみ受給者 |
---|---|---|
平成20年度 | 53,936円 | 48,440円 |
平成21年度 | 54,258円 | 48,850円 |
平成22年度 | 54,529円 | 49,296円 |
平成23年度 | 54,612円 | 49,555円 |
平成24年度 | 54,783円 | 49,904円 |
出典:厚生労働省
国民年金の支給金額は微増の傾向にありますが、平成25年度は物価の減少に合わせて支給額も下がっているので、25年度以降は平均受給額についても減少するものと思われます。
平成27年度にはマクロ経済スライド方式がはじめて発動するので、受給額は今後ゆるやかに減少する傾向にあるといえるでしょう。
国民年金の満額は月額約7万円ですが、実際の受給額の平均は月5万円程度になっています。老後の生活費は夫婦で月25万円とも言われているので、国民年金だけでは到底足りない水準であることがわかりますね。
厚生年金の平均受給額
- 厚生年金の平均受給金額は15.1万円
一方、老齢厚生年金の平均受給金額は平成24年度で151,374円になっています。国民年金の人が約5万円と考えると、厚生年金をもらう人は約3倍の金額を受給していることになります。
厚生年金は国民年金と報酬比例分の金額を受給することになるので、厚生年金に加入したことによって10万円分の上乗せがされていると考えることもできます。
■厚生年金の平均受給金額
年度 | 平均受給額 |
---|---|
平成20年度 | 158,806円 |
平成21年度 | 156,692円 |
平成22年度 | 153,344円 |
平成23年度 | 152,396円 |
平成24年度 | 151,374円 |
出典:厚生労働省
しかし、国民年金の受給額とは逆に厚生年金の受給額は年を追うごとに減少を続けています。
厚生年金の減少は物価の下落と報酬の減少の両面によるものです。以下の標準報酬月額の平均額の推移を見ると、報酬額の平均は減少あるいは横ばいが続いていることがわかりますね。
■標準報酬月額の平均額の推移
出典:厚生労働省
15万円年金が支給されれば、妻の年金や退職金などが入れば十分生活ができそうな金額といえます。
もちろん今後支給金額が減少していくことは十分考えられますし、給料も現在年金をもらっている世代のように右肩上がりというわけにはいかないので、厚生年金だけで十分とは言えないです。
また、より豊かな生活を求めている場合には自分でいくらかお金を準備しておく必要があります。
- 厚生年金加入者の年金は国民年金のみの人よりも手厚いが、「給付額の減少」「報酬が想定より上がらない」というリスクがあるので安心はできない
自営業夫婦とサラリーマン夫婦の年金
国民年金、厚生年金の平均受給額をそれぞれ見てきましたが、上記は個人がもらう年金額ですので、実際には夫婦で受給した年金額が夫婦の生活費になります。
仮に自営業者の夫と妻の夫婦とサラリーマンの夫と専業主婦の夫婦がいてそれぞれ平均受給額の年金をもらったとすると、自営業の夫婦は両方第1号被保険者となり、国民年金を受給することになるので、月に約10万円の世帯収入になります。
一方、サラリーマン夫婦の場合、夫の年金が約15万円、妻が第3号被保険者となり国民年金を受給することになるので月に約5万円で合計月に20万円の収入になります。
さらに今後増えそうな共働き世帯の場合は、夫婦がともに第2号被保険者となりますので、ともに平均額の15万円ずつを受給したとすると月の受給額合計は30万円になります。
■平均的な受給額をもらう夫婦の職業による年金の差
- 自営業+専業主婦夫婦 :月額約10万円
- サラリーマン+専業主婦夫婦:月額約20万円
- 共働き夫婦:月額約20万円 :月額約30万円
自営業とサラリーマンを夫に持つ夫婦の間では、現役時代に同じくらいの収入を得ていたとしても、老後の年金収入には約2倍も違いが出ます。
しかも会社員夫婦の妻は第3号被保険者なので保険料負担はありませんが、自営業夫婦の妻は、収入に関わらず自身が第1号被保険者となり保険料を納める必要があります。
いかに会社員の年金が恵まれているかがわかりますね。
年金はこの先どうなるかわかりませんし、自営業の人は老後も働き続けるという選択肢を取ることができるので、会社員の方が老後はバラ色とは言えませんが、自営業の人ほど自分で老後のお金を用意する意識が必要なことは間違いありません。
さらに会社員夫婦の場合でも月に20万円の収入では老後に必要な夫婦の生活費といわれる月25万円に届きませんので、こちらも公的年金以外に老後のお金を準備しておく必要があります。
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