ねんきん定期便の役割とねんきん定期便が送られるようになった背景

公開日:2014年11月5日

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2009年4月から、すべての年金加入者に対して、毎年1回誕生月に年金の加入記録を記載したねんきん定期便が送られています。

最近では毎年送られてくるので、何となく見ている人もいるかと思いますが、とても重要なものなので、本記事ではねんきん定期便の役割を見ていきます。


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ねんきん定期便の役割

  • 自分の年金加入状況・将来の年金額を知る
  • 年金制度への理解を深める
  • 年金制度への信頼性の向上

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ねんきん定期便の役割は、年金加入者全員に保険料の納付実績と将来のおおよその年金額を知ることです。

またそのためにわかりやすい形で年金の加入実績を知らせるという役割があります。

年金に加入していても会社に勤めていると直接年金保険料を納めているわけではないので、自分がどれくらい保険料を支払っているかということを忘れがちです。自分がいくら保険料を納めていて将来いくら年金をもらえるかを知ることは年金制度への理解の第一歩です。


逆に保険料の負担を不満に思っている人に対して将来もらえる年金を知ってもらうことで、保険料負担への理解を求めるという意味もあります。

国としても、毎年定期的にねんきん定期便を送ることで、年金制度への信頼を高めることを目指しています。

老後のお金を考える上でも、まずは公的年金がいくらもらえるかがベースになって、自分で用意する金額がわかりますので、公的年金の把握はとても重要です。

年金に加入している人は、ねんきん定期便を最大限活用し、自分の年金の状況を知って将来の計画を立てるのに役立てましょう。


ねんきん定期便が送られるようになった背景と「ねんきん特別便」

ねんきん定期便が送られるようになったのは、年金制度への信頼がゆらいだことから始まります。

日本の公的年金は、年金保険料を納付記録はあるのに年金基礎番号と統合されず、誰の年金記録かわからなくなるという、いわゆる「宙に浮いた年金問題」と、また年金記録の管理を紙からデータに移行する際に転載が不正確で、年金を納めたはずの人の年金記録がないという「消えた年金問題」が2007年ごろに大きな問題となりました。

当時、宙に浮いていた年金記録は5,000万件を超え、日本の年金制度への信頼度を大きく損ないました。

■日本の年金制度の信頼を揺るがした問題

  • 宙に浮いた年金問題:誰の年金記録かわからなくなった問題
  • 消えた年金問題  :納めたはずの保険料の納付記録がなくなった問題

年金制度は、現役世代が将来世代を支える賦課方式ですので、現役世代から見ると自分が将来年金をもらえないかもしれないと保険料を支払う人がいなくなってしまい、年金制度そのものが成り立たなくなってしまいます。

国としては信頼回復をするために、早急に年金記録の確認をする必要がありました。

そこで、公的年金の加入記録の確認のために国が把握している年金記録をすべての年金加入者、年金受給者に送付したのが「ねんきん特別便」です。ねんきん特別便は2007年12月から2008年10月までの間に1億800万人すべての年金加入者と年金受給者に送付されました。

そして、それ以降毎年の年金記録の確認として、年金加入者に対して1年に一度ねんきん定期便が送られるようになりました。

このような背景を考えると、ねんきん定期便は国の年金制度の信頼回復という役割が最も大きいと言えるかもしれません。


年金記録の確認はねんきんネットでいつでもできる

なお、ねんきん定期便は1年に一度郵送で送られるものですが、インターネット上で年金記録の確認ができる「ねんきんネット」を利用することで24時間365日どこからでも確認をすることができます。

紙で見たいという人も多いと思いますが、ねんきんネットにはねんきん定期便の記載内容はすべて確認することができますし、ねんきん定期便の様式で確認することもできます。ですので、自発的に年金記録を確認したければ、ねんきんネットを確認する方が便利ですね。

ねんきんネットのサービスの詳細は別の記事で紹介していますので、以下の記事もぜひ参考にしてください。


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