生命保険と個人年金保険における死亡保障の違いと保険を組み合わせる必要性
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個人年金保険は民間の保険会社が提供する生命保険の一種で、死亡時に保険料の返金がされたり、死亡後も残された家族へ年金が支払われるものもあります。
だからと言って、一般的な生命保険と同じ感覚で加入するものでもありませんので、ここでは生命保険と個人年金保険の違いを整理しておきます。
生命保険と個人年金保険の違い
- 生命保険は契約後いつ死んでも同じ死亡保険金を受け取ることができる
- 個人年金保険は年金受取前に死亡すると、払込済保険料相当が返金される
- 年金受取後に死亡すると、死亡保障がない場合は何も受け取ることができない
生命保険も個人年金保険も様々な種類がありますが、一般的な終身型の生命保険の場合、保険料を払い始めた時からいつ死亡しても同じ保険金を受け取ることができるのが特徴です。
一方で個人年金保険は、年金受取前(保険料払込中)に死亡した場合、払込済の保険料が返金されます。
また、年金受取が始まった後に死亡した場合は、確定年金や死亡保障がついていない個人年金保険に加入していると年金の支払いがストップして何ももらえず、確定年金や死亡保障つきの年金の場合は契約に基づいた期間まで年金が支払われます。
いずれにせよ、個人年金保険は自分が積み立てたお金(とその運用益)以上の金額が支払われることはありません。
生命保険は契約後いつ死亡しても同じ保障が受けられるのに対し、個人年金保険は自分が支払った分の保険料が戻ってくるという点が最大の違いといえます。
- 生命保険は契約後いつ死亡しても同じ保障が受けられるが、個人年金は自分が支払った分の保険料しか戻ってこない
これだけ聞くと生命保険の方が有利なように聞こえますが、生命保険は死亡時の保障のための保険ですので、死亡保障が手厚くて当然です。
個人年金保険は老後の収入を保障するもので、死亡時の対応は保険料の払い損がないようにしているだけのもので、そもそもカバーしようとしているリスクが異なります。
生命保険にも貯蓄性のある老後の収入保障をする保険もありますが、その分保険料は高くなっていきます。
自分がどんなリスクに対応したいのかを考えて、加入する保険を検討する必要があります。
生命保険と個人年金保険を組み合わせて活用する
- 生命保険と個人年金保険は用途が違うので、自分のライフスタイルとお金が必要になる時期を見極めて活用する
このように生命保険と個人年金保険は同じような機能を提供してはいますが、まったく別物で備えるリスクも異なります。
生命保険と個人年金保険のどちらかを選ぶという考えではなく、自分が備えたいリスクから考えて、組み合わせても活用することができる保険です。
例えば死亡時の保障が必要になるのは自分が亡くなった後も大きなお金が必要になる場合で、かつ貯えも少ない教育期間などです。一般的には子供が独立した後は、自分が死亡しても家族に大きなお金を残す必要はありません。
一方で老後は自分の生活費をきちんと払えるかどうかがリスクとなり、長生きするほどに必要な生活費が増える、いわゆる「長生きリスク」に備える必要があります。
極端な言い方をすると生命保険は「早死にリスク」に個人年金保険は「長生きリスク」に備える保険といえます。
- 生命保険:早死にリスクに備える保険
- 個人年金保険:長生きリスクに備える保険
そのような方の場合は、例えば生命保険の定期保険に加入して60歳までの若いうちに死亡するリスクに備えつつ、個人年金保険の終身型に加入して60歳以降の収入を細く長く保障することで長生きしても安心して生活することができます。
これを死亡保障は長い方が良いから終身保険としていると、保険料が高くなって老後の生活費のための個人年金保険にお金が回らないということになりかねません。
また、逆に老後が心配だからと個人年金保険を厚くしすぎて、生命保険に未加入または不十分だと、万が一自分が若いうちに死亡すると、残された家族にお金がなく、生活に苦労をかけたり子供の人生の選択肢を狭めてしまうかもしれません。
このように自分のライフスタイルやお金が必要な時期を見極めて、保険に加入する必要があります。普通の人は早く死ぬことによるリスクと長生きすることによるリスクを両方抱えている人がほとんどですので、保険を組み合わせてどちらのリスクにも対応していくことが賢い保険の活用方法といえますね。
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