個人年金保険を一括受取した時と年金受取した時の受取金額、課税の違い
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個人年金保険は年金として受け取る人が多いですが、一時金で受け取ることもできます。
個人年金保険の受取金を一括受取した場合と年金で受け取った場合は受取金額や課税関係が変わってきますので、違いを理解した上で自分にあった受取方法を選択しましょう。
一括受取と年金受取の違い
個人年金保険の受取方法による違いは大きく受取金額と課税方法にあります。
■個人年金の一括受取と年金受取の違い
- 受取金額の違い
- 課税方法の違い
受取金額の違い
一括受取と年金受取を比較した場合、受取総額は年金受取の方が大きくなります。
- 年金受取を選択した方が総受取金額は大きくなる
- 一括受取を選択するとすぐに受取金額のすべてをもらうことができる
個人年金保険は、保険料として積み立てた金額を保険会社が運用して増やしていることで払い込んだ保険料よりも大きな金額を受け取ることができます。
一括受取で受け取りをした場合、一時金として受け取ったタイミングで積み立てたお金が0になるのでもう運用をして増やすことはできません。
年金受取の場合だと、年金受取が開始すると積み立てたお金は減っていくことになりますが、すぐになくなるわけではないのでそのお金を運用してさらに増やすことができます。
そのため、年金受取の方が長く運用をできることになり、結果として受け取ることのできる年金の総額が多くなります。
目安ではありますが、一括受取と年金受取では返戻率で言うと10%くらい変わってくることが多いようです。
返戻率が10%違うということは、仮に500万円の保険料を払い込んで、一時金で受け取ると返戻率120%、年金で受け取ると返戻率130%の個人年金保険があった場合、受取総額は一括受取で600万円、年金受取で650万円となり、50万円の違いが出るということになります。
一括受取の場合は、すぐに手元に大きな金額が入りますし、そのお金を自分で運用することで増やせると考えることもできますので、どちらが良いとは一概に言えませんが、自分の状況に合わせて選択する必要があります。
少し乱暴な言い方をすると・・・・
「すぐにまとまったお金が必要なら一括受取」
「そうでない人は年金受取」
がおすすめという結論になります。
状況が複雑だったり、よくわからないという人は保険ショップなどで相談されることをおすすめします。
課税方法の違い
一括受取をした時と年金受取をした時では、課税の考え方も変わります。
一括受取の場合は一時所得、年金受取の場合は雑所得扱いで課税がされます。
- 一括受取:一時所得として課税
- 年金受取:雑所得として課税
一時所得の場合は一括で受け取る金額からこれまでの払込保険料と50万円の控除額とともに差し引き、一時所得として総合課税されます。
雑所得の場合は、毎年の年金額から、払い込んだ保険料を「年金総額におけるその年の年金額の割合」をかけた金額を必要経費として差し引き、雑所得として総合課税されます。
■個人年金の所得の計算
- 一時所得:(一括受取金額-払込保険料金額-50万円)
- 雑所得:受取年金額-(払込保険料×(受取年金額÷総受取年金額))
仮に払込年金総額が300万円で、40万円の年金を10年受け取る(年金総額400万円)場合、年金を受け取った年の雑所得は、
40万円-(300万円×40/400万円)
=40万円-(300万円×1/10)
=40万円-30万円
=10万円
となります。
一方同じ金額を一時金で受け取った場合には、
400万円-300万円-50万円=50万円
となります。
こちらも人によって大きく変わりますので、自分がどうなるか知りたい人は保険ショップで無料相談をすると良いでしょう。
相談は無料ですし、行ったら何かしないといけないというわけでもないので、保険ショップはこういったシミュレーションにどんどん活用していった方が良いですよ。
ご結婚されているようでしたらご夫婦で行かれるのが絶対おすすめです。
どちらを選ぶ方が得なのか?
上記の例は、課税所得だけを見ると10万円を10年間で合計100万円課税される年金受取に対して、50万円が一度課税される一括受取の方が有利なように思えます。
しかし、税率の関係や雑所得には給与所得と個人年金の所得が20万円以内であれば確定申告不要の制度もあるため、状況によってどちらが有利かは異なります。
上述した通り、年金受取と一括受取の場合は受取金額そのものが変わってきますので、税金の扱いを覚えてその人それぞれがどちらが良いかを判断することになります。
とはいえ、個人年金の場合は、確定拠出年金や企業年金のように一時金で受け取ると退職所得として大きな所得控除が受けられるわけではなく、課税金額という点では一括受取か年金受取かをそこまで気にする必要はないかもしれません。
どちらかというと、受取金額の違いや一度に大きな金額を手にする必要があるかどうかで受取方法を選択すると良いと思います。
具体的な受取金額や税金が知りたい人は保険ショップで無料相談されるのがおすすめです。
特に税金は素人だけで判断するのは危険ですので、専門家に相談するのが一番です。
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