確定拠出年金(401k)の給付金が60歳未満でも給付される場合

公開日:2015年1月23日

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確定拠出年金に加入して拠出したお金は原則60歳になるまで引き出すことはできません。

しかし一定の条件を満たした場合には例外的に60歳未満でも給付される場合があります。ここでは60歳未満でも確定拠出年金の給付金を受け取れる場合を見ていきたいと思います。


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確定拠出年金(401k)の給付金が60歳未満でも給付される場合

  • 障害状態になった場合
  • 加入者が死亡した場合
  • 脱退一時金の要件を満たした人

60歳未満でも加入者が障害基礎年金の1級または2級にあたる障害状態になった場合は「障害給付金」という形で、これまでためてきた管理資産を受け取ることができるようになります。

また加入者が死亡した場合には、管理資産を「死亡一時金」という形で遺族へ支払われますので、60歳未満で加入者が死亡した場合にも給付を受けることができます。

60歳以上になってから受け取る給付金を「老齢給付」、障害時に受け取る給付金を「障害給付」、死亡時に受け取る一時金を「死亡一時金」といい、確定拠出年金における基本的な給付となっています。

老齢給付、障害給付、死亡一時金はそれぞれ課税の方法も異なります。各給付における税金の取り扱いの違いは別の記事で紹介していますので、気になる方は以下の記事を参考にしてください。


脱退一時金の給付要件

加入者が障害を負ったり死亡しなかった場合でも例外的に60歳未満で給付を受けることもあります。この例外的に受け取ることのできる給付を「脱退一時金」といいます。

企業型個人年金に加入している人の管理資産が極端に少なかったり、結婚して専業主婦となり公的年金制度における第3号被保険者となって確定拠出年金の加入要件を満たさなくなった場合などに脱退一時金を受給することができます。

脱退一時金の支給要件は、「企業型年金の加入者資格をなくした人」と「個人型年金の加入者資格がない人」、「個人型年金の加入者となれる人」で分かれており、それぞれで以下の要件をすべて満たした人が脱退一時金の支給を受けることができます。

■脱退一時金の要件(企業型年金の加入者資格をなくした人)

  • 企業型年金加入者、企業型年金運用指図者、個人型年金加入者又は個人型年金運用指図者でない
  • 管理資産が15,000円以下の場合
  • 退職した日の翌月から6か月が経過していない

■脱退一時金の要件(個人型年金の加入者資格がない人)

  • 60歳未満
  • 企業型年金の加入者でない
  • 個人型年金の加入者になれない
  • 障害給付金の受給権者でない
  • 通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、または、管理資産の額が50万円以下
  • 年金加入者の資格がなくなってから2年未満
  • 脱退一時金の支給を受けていない

■脱退一時金の要件(個人型年金の加入者となれる人)

  • 60歳未満
  • 障害給付金の受給権者でない
  • 通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、または、管理資産の額が25万円以下
  • 個人型運用指図者として2年経過し、その後2年以内
  • 脱退一時金の支給を受けていない

まず企業に勤めている人が会社を退職した場合、管理資産が15,000円以内で退職から6か月以内であれば脱退一時金を受け取ることができます。

会社を退職して専業主婦になる場合など個人型401kへの加入資格がない人の場合は、通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、または、管理資産の額が50万円以下で、退職から2年以内であれば脱退一時金を受け取ることができます。

さらに個人型401kの加入資格がある人でも運用指図者として2年経過し、通算拠出期間が1ヶ月以上3年以下、または、管理資産の額が25万円以下であれば脱退一時金を受け取ることができます。

いずれも通算拠出期間が3年以下という制約があるので、多くの場合は脱退一時金を受け取ることは難しいと思いますが、短期間だけ企業型の確定拠出年金制度に加入していたという人は脱退一時金を受け取ることができます。

個人型の確定拠出年金制度に加入することで自分で掛金を拠出していける人であれば、個人型に移行して引き続き老後のお金の準備をすることが十分できますので、401kを続けるのか脱退一時金をもらうかどうかは検討した方が良いです。

しかし専業主婦など個人型の確定拠出年金制度への加入ができない人は、掛金を拠出して401kの資産を増やすのは難しいです。脱退一時金をもらって他の方法で老後のお金の準備をしていくことも検討できます。

脱退一時金の条件はやや複雑ですので、企業を退職して401kはもう利用しないという人は、念のため加入している運営管理機関に脱退一時金の条件を聞いて、自分はもらうことができるのか確認すると良いと思います。


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