確定拠出年金(401k)が生まれた背景と必要性
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2001年から日本でも確定拠出年金制度がスタートしました。
確定拠出年金の特徴は別の記事で紹介していますが、日本で確定拠出年金がスタートしたのにはどのような背景があるのでしょうか。
本記事では確定拠出年金が開始された背景や、確定拠出年金の必要性について見ていきたいと思います。
確定拠出年金が開始した背景
■確定拠出年金が導入された背景
- 公的年金財政の悪化
- 企業年金財政の悪化
- 終身雇用の変化
確定拠出年金が導入された背景には、国、企業、個人がそれぞれ必要に迫られたという面があります。
国から見ると、少子高齢化が加速する中で公的年金財政がどんどん悪化しており、公的年金だけでなく国民個人が自分で老後のお金を準備していってほしいという事情があります。
日本の公的年金は現役世代が年金世代を支える賦課方式で運用されていますので、制度的に限界を迎えつつあり、給付金額は減少し、保険料負担は増加しています。
そのため公的年金だけで老後の生活をするのは厳しく、国としては国民一人一人が自助努力で年金を作ることができる制度が必要になっています。
企業から見ても長引く不況で業績が悪化するだけでなく、金利や株式市場も低迷しているため運用益を出しづらい状況となり、そのような中で決まった年金を社員に支払わないといけないので、企業年金の財政は悪化しました。
そのため企業への負担の少ない企業年金制度を導入する必要がありました。
また、個人の面から見ても終身雇用が一般的とは言えない多様な働き方をする世の中になり、1つの会社で運用がされ勤続年数が短いと満足のいく金額が受け取れない企業年金ではなく、転職をしても持ち運べるポータビリティの高い企業年金制度を導入する必要がありました。
このように国、企業、個人のそれぞれの事情から、個人が自分の責任で運用することができる確定拠出年金制度が必要となり導入されることになりました。
確定拠出年金は最大限活用して老後のお金を作る
よく確定拠出年金は公的年金や企業年金で賄いきれなくなった責任を個人になすりつけるためにあると主張される方がいますが、確定拠出年金は国だけでなく企業や個人にもメリットがある制度です。
運用する商品の中には定期預金などリスクのない商品もありますので、リスクを取るのかどうかも個人で選択をすることができます。
少子高齢化の問題は国の構造的な問題ですので、長期的な視野に立った対策は必要ですがすぐにどうこうすることはできません。
公的年金に頼ることができないというのは現実ですので、公的年金以外に年金を作る方法である確定拠出年金や個人年金をうまく利用して老後のお金の準備をしていく必要があります。
確定拠出年金には運用のリスクがたしかにありますが、メリットも大きい制度ですので、制度の内容やメリット、デメリットを良く理解して積極的に活用していきたいですね。
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