老後の資金準備方法としての終身保険と個人年金の比較

公開日:2015年1月9日

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生命保険は定期保険に加入すると基本的には掛け捨てとなり、保障期間が終了するとお金が戻ってくることはありませんが、終身保険の場合は貯蓄性があり途中で解約をすると解約返戻金という形で返金があります。

そのためうまく利用すると終身保険でも個人年金保険と同じように老後のお金の準備をすることができます。

保険で老後のお金を準備するという意味では同じですが、それぞれの方法には特徴や違いがありますので、ここでは終身保険と個人年金保険の比較をしていきたいと思います。


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終身保険と個人年金の比較

■終身保険と個人年金の違い

  • 死亡保障の違い
  • 返戻率の違い
  • 保険料の違い

終身保険と個人年金保険の最大の違いは死亡保障の有無です。終身保険は生命保険ですので、被保険者が死亡した時に遺族に対して保険金が支払われる死亡保障がついています。

一方、個人年金保険は貯蓄性の保険で被保険者が死亡した場合はこれまで支払った保険料が遺族に返金されるだけです。

老後のお金を準備するのが目的であれば死亡保障はなくても問題ありませんが、老後のための貯蓄も死亡保障もしていきたいと考える人にとっては終身保険の方が魅力的です。

支払った保険料に対する年金や解約返戻金の割合を「返戻率」といい、保険商品の貯蓄性を見る際に使用しますが、返戻率については個人年金保険の方が高いことが一般的です。終身保険には死亡保障がついているので、その他の条件が同じであれば老後に受け取ることができるお金は個人年金よりも少なくなります。

被保険者が生きてお金を受け取りたいという場合には、個人年金の方が効率的にお金を貯めることができます。

返戻率が個人年金の方が高いということは、同じ金額を老後に得ようとする場合に、終身保険の方が保険料が高くなり、個人年金は必要な保険料が安くすみます。

老後のお金をいくら準備すれば良いかは必要な生活費などから算出することになりますが、必要な金額を得るために支払う保険料は個人年金の方が安くなるので、老後のお金の準備だけをしたいのであれば個人年金の方が現役時代の負担が小さくすみます。

最後に生命保険は支払った保険料に応じて一定の金額を所得から控除できる「生命保険料控除」を受けることができます。

個人年金保険も生命保険の一種ですので生命保険料控除を受けることができますが、一定の条件を満たすと生命保険料控除とは別枠で「個人年金保険料控除」という税制優遇を受けることができます。

生命保険料控除と個人年金保険料控除の控除額の上限はともに40,000円で、重複して控除を受けることがないので、個人年金の場合はどちらかを選択して控除を受けることになります。

控除額は変わらないので同じ金額を拠出している場合控除額も同額になりますが、ほかに生命保険などに加入をして生命保険料控除を受けている時などは、別枠で個人年金保険料控除を受けられる個人年金の方が有利になります。

上記をまとめると以下のようになります。

生命保険(終身保険) 個人年金
死亡保障 あり なし
返戻率
保険料 高い 安い
税制優遇 生命保険料控除 生命保険料控除
個人年金保険料控除

これらを見てみると、純粋に老後のお金だけを準備したいのであれば個人年金、万が一の死亡保障もつけたいなら終身保険が向いているといえます。

自分が死亡した時に遺族へお金を残したいかどうかが、老後のお金を個人年金で用意するか終身保険を活用するかの分かれ目となります。遺族へのお金はすでに別の方法で準備しているということであれば利率の良い個人年金で効率良く老後のお金を準備した方が良いでしょう。

ただし本当に死亡保障が必要なのであれば、個人年金と掛け捨ての定期保険に加入するという選択肢もあります。

今は掛け捨ての生命保険はネット生保を使えばとても安く加入することができますし、終身保険を使って死亡保障と老後のお金を準備するより割安になることも多いです。

個人的には死亡保障と貯蓄は分けた方がシンプルだと思いますので、死亡保障も将来の年金もほしいという方でも色々な方法を検討されることをおすすめします。


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