国民年金の保険料の計算方法と負担のしくみ

公開日:2014年10月21日

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第1号被保険者が負担している国民年金の保険料は、どのような計算によって決まっているのでしょうか。

国民の義務として何となく納付している人も多いですが、本記事では国民年金保険料の決め方や負担の仕組みを紹介したいと思います。


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国民年金の保険料は国によって計画的に決められている

毎年の国民年金の保険料は年金制度で決まっています。

2014年の国民年金保険料は15,250円ですが、現在の国民年金保険料は2004年に行われた年金制度の改革により決められた引き上げスケジュールに物価の変動等を考慮して決まっています。

■保険料額の計算方法

  • 国民年金の保険料額=2004年の改正により決まった保険料額 × 保険料改定率
  • 保険料改定率=前年の保険料改定率 × 名目賃金変動率(物価変動率×実質賃金変動率)

国民年金の保険料は従来、少なくとも5年に1度財政の再計算を行い、財政が破たんしないように給付額と負担額を見直すようになっていました。

しかし急激に進む少子高齢化の影響などで年金の財政は悪化し、給付水準を保ったまま保険料を変更すると、現役世代の負担が大きくなりすぎてしまうため2004年に年金制度の改革が行われました。

結果として、保険料の負担には一定の上限を設けて給付水準を下げることになりました。

■国民年金保険料の増加イメージ
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出典:日本年金機構

それによって、保険料の負担の上限は月額16,900円となり、保険料が際限なく増加し続けるということはなくなっています。

その足りない部分は給付が下がったり、税金が投入されることになるので、年金財政が苦しいことには変わりありませんが・・・


国民年金保険料の推移

実際に国民年金保険料が年金制度改正からどのように推移していったかを以下にまとめました。

■国民年金保険料の推移

年度 保険料
2004年 13,300円
2005年 13,580円
2006年 13,860円
2007年 14,100円
2008年 14,410円
2009年 14,660円
2010年 15,100円
2011年 15,020円
2012年 14,980円
2013年 15,040円
2014年 15,250円

出典:日本年金機構

毎年250円程度増加していることがわかります。年間にすると3,000円程度ずつ負担額は増加していることになり、年金制度改正があった2004年から2014年で比較すると月額で1,950円、年額で23,400円も増加していることになります。

しかし、年金制度改正時に決めた保険料ほどは国民年金の保険料は上がっていません。

上述した通り、毎年の保険料は年金制度改正時に決めた保険料に物価や賃金の増減を織り込んだ「保険料改定率」という値をかけることになりますが、物価や賃金が減少傾向にあったここ10年間は保険料改定率は1を割り込み、結果当初予定よりも低くなり保険料の増加を抑えていました。


結局は税金で支払っている

保険料の金額は上がっていますが、上限が決まっているので良かったと考えるのは気が早いです。現役世代は見えない負担を強いられています。それが税金です。

年金制度改正では、保険料の上限を設けてその範囲で給付を行うとしていますが、同時に年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1へと段階的に引き上げることも決めています。国庫負担とは税金のことですので、税金から年金に流れるお金が増えているのです。

■国庫負担割合の段階的引き上げ
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出典:日本年金機構

厳密にいくら負担が増えたとは言えませんが、平成16年から平成20年までの間に予算ベースでは約3,500億円も国庫負担が増加しています。仮に1億人で割ったとしても一人当たり約3,500円の負担が増えていることになります。

このように、国民年金の財源は直接的には保険料で、間接的には税金という形で現役世代が負担をしています。

少子高齢化が進む日本では、年金財政が苦しくなっており、収支に合わせて給付水準を調整する流れにあります。保険料負担に一定の上限があるのは悪いことではありませんが、現役世代の人たちは自分たちの親や祖父母世代と同じ水準の年金を期待することはできません。

何とも悲しいですが、年金が世代間扶養を前提とした賦課方式である以上、しくみ上仕方のないことですので、現役世代の人は公的年金以外の収入の道を準備しておくのが賢明といえます。


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