確定年金・有期年金・終身年金を受取期間、保険料、活用シーンで比較する

個人年金保険は様々な種類があるので、いくつかの軸でタイプ分けをすることができますが、年金の受取期間や条件によって大きく終身年金、有期年金、確定年金に分けることができます。

それぞれの特徴については、各紹介記事で説明していますが、本記事ではこれら3つの年金を比較してみたいと思います。

終身年金、有期年金、確定年金の特徴

終身年金、有期年金、確定年金の特徴を簡単に説明すると、終身年金は年金受取開始後は生きている限りずっと年金が受け取れる年金です。

また、有期年金は契約で定められた期間内であれば、生きている間は年金を受け取ることができるものです。

確定年金は契約で定められた期間内であれば、被保険者が死亡してもすべての年金を受け取ることができる年金保険です。

終身年金、有期年金、確定年金の比較

年金受取期間の比較

年金の受取期間を比較すると、「受取開始からいつまで年金を受け取ることができるか」という点と、「被保険者が死亡した時年金が止まるか」で違いがあります。

終身年金は、年金受取開始から一生涯受け取ることのできる年金です。有期年金、確定年金は年金の受取期間があらかじめ決まっていて、5年、10年、20年など決まった期間だけ年金を受け取ることができます。

「被保険者が死亡した時年金が止まるか」という意味では、終身年金と有期年金は被保険者が死亡した場合、その後の年金を受け取ることはできません。確定年金は被保険者が死亡したとしても、決まった期間の年金は全て家族などが受け取ることができます。

終身年金と有期年金は年金受取開始の直後に被保険者が死亡すると、受け取った年金よりも支払った保険料の方が多くなり、ある意味元本を割り込んだのと同じような損をすることになります。

一方で確定年金は契約で定められた期間、金額は必ず年金として支払われますので、もらうことができる年金があらかじめ確定しています。

保険料の比較

保険料の面で比較をすると、年間で受け取る金額やその他の条件が同じ場合、保険料は終身年金、確定年金、有期年金の順に高くなっていきます。

終身保険は一生涯年金を受け取れるので、受取期間が確定年金、有期年金よりも長くなるのでその分保険料が高く算出されます。

また確定年金と有期年金では、確定年金が受取期間や年金額が確定しているのに対して、有期年金は被保険者が死亡した場合は年金が途中で支払われなくなり、年金額が少なくなる可能性があるので、その分保険料が安くなります。

活用シーンでの比較

■各年金の効果的な活用シーン

各年金保険の利用の仕方は人それぞれですが、効果的と思われる利用方法をそれぞれ見ていき比較していきます。

終身年金は、被保険者が生きている限りは年金をもらうことができるので、死ぬまで必要で不可欠な生活費のためのお金を準備する方法に向いているといえます。

生活費のために貯金を切り崩していると、長生きするほどに貯金が目減りするのを見て気が滅入るので精神衛生上良くありません。長生きしてもお金の心配をする必要がないようにするには終身年金が効果的です。

有期年金は、お金が必要になる特定の期間に備えるために活用するのが効果的です。

公的年金がもらえるまでの間のつなぎ資金や、老後の元気なうちのレジャー費用としてなど、特定の期間だけお金が必要になることがありますが、これに有期年金を活用すれば、保険料負担を押さえつつ特定期間中の必要なお金を準備することができます。

また確定年金は被保険者が死亡した場合も年金や一時金を家族が受け取れるので、自分の生活費は死亡したら不要だけど妻の生活費を残したい場合や、孫の教育資金など、被保険者が死亡しても必要になるお金を備える方法として活用することができます。

まとめ

各比較項目をまとめると以下のようになります。

■終身年金、有期年金、確定年金の比較まとめ

個人年金保険のタイプは受取期間だけではありませんが、最も重要ではじめて選ぶ際には難しいところなので、きちんと理解して自分にあった受取期間の年金保険を選ぶようにしましょう。