個人年金保険の弱点インフレリスクとリスクへの対応ができる保険

公開日:2014年11月11日

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以前紹介した個人年金保険のデメリットやリスクの記事でも一部触れていますが、個人年金保険はインフレへの対応が難しい点が弱点です。

定額型の個人年金保険の場合、契約時に将来受け取ることのできる年金額が決まるので、物価が上がった場合、その金額が実質的には目減りすることになるリスクがあります。


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インフレリスクが個人年金保険の弱点となる理由

  • インフレによりお金の価値が下がると、定額型の個人年金保険では実質的に元本割れを起こしたのと同じようなことになる

そもそも「インフレとは何か?」と言うと、インフレとは物価が上昇することで、逆の見方をすると「お金の価値が下がる」ことになります。

仮にインフレが10%進行(物価が10%上昇)した場合、元々100万円で購入できたAという商品は110万円出さないと買えなくなります。これは現金100万円の価値をインフレ前後で比較した場合、物価上昇前に100万円の価値があった現金が、物価上昇後は約90万円の価値しかなくなったといえます。

月の給料が50万円の人がいたとすると、インフレ前は50万円分の生活ができていたのが、インフレ後は実質45万円の収入の生活しかできなくなります。

これは個人年金保険にも置き換えて考えることができ、受け取る年金額が実質的に目減りすることになり、返戻率が120%の個人年金保険であったとしても、50%のインフレ率で物価が上昇してしまうと実質的には元本割れを起こしたのと同じようなことになります。

個人年金保険は保険料の払い込みを10年から30年程度した後に年金を受け取ることが多く、契約から年金受取までの期間が長くなります。これだけ長いと保険料の払込期間中に物価が数十%上昇することは十分考えられます。

ここ10数年はデフレの流れが続いていますが、現在日銀は物価成長率の目標を2%と掲げているので、その成長が一部でも続くと物価上昇のリスクは十分にあるといえます。

■消費者物価指数の推移
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出典:財務省統計局

現に1970年代から2013年までの40年程度の間で日本の消費者物価指数は3倍以上になっています。高度経済成長の期間であることを差し引いたとしても、年間1%ずつ物価が上昇すると30年後には33%も物価が上がることになります。

そうなった時、年金額が決まっている個人年金保険に加入している場合には、実質の年金額が30%以上目減りすることになり、老後の生活設計に大きな支障をきたす可能性があります。

これが個人年金保険がインフレリスクがあると言われる理由です。


インフレリスクへの対応ができる個人年金保険

個人年金保険を活用しつつインフレリスクに対応するには、「変額個人年金」や「利率変動型個人年金」、「5年ごとの利差配当付個人年金保険」など、物価の上昇とともに起きる金利や株価の上昇に合わせて利益が出て、もらえる年金が増える商品に加入することです。

また保険料を「一時払い」にすることで、運用期間を短くして、契約から年金の受取までの期間を短くすることでインフレリスクを低減させる方法もあります。

■インフレリスクへの対応ができる個人年金保険

  • 変額個人年金
  • 利率変動型個人年金
  • 5年ごと利差配当付個人年金保険
  • 一時払個人年金保険

変額個人年金保険は定額の個人年金保険と対照的に、運用の結果などによって将来受け取ることのできる年金が増減する個人年金保険です。

運用の結果次第では元本割れをする可能性もありますが、物価上昇をする場合は株価なども合わせて上昇していきますので、利益が出ることも多くなり、インフレ局面では有利になることが多い個人年金保険です。

利率変動型個人年金は、金利の増減によって受け取ることのできる年金が増減する個人年金保険です。金利も株価同様、物価上昇局面ではあわせて上昇していきますので、受け取れる年金額も増えインフレリスクをある程度回避することができるといえます。

5年ごと利差配当付個人年金保険は、保険会社の運用により利益が予定利率を上回った場合、予定利率を上回った分の運用利益を配当利差として5年ごとに還元する保険です。多くの個人年金保険はこの利差配当付個人年金保険となっています。

また個人年金保険のインフレリスクは、契約から年金受取までの期間が長いほど物価が変動するリスクが大きくなりますので、運用期間(保険料払込期間)を短くすることでインフレリスクを低減することができます。

通常、運用期間が短くなるほど返戻率も下がり、個人年金保険のうまみも少なくなってしまいますが、保険料を一時払いにすることで分割払いした時よりも利率が良くなるので、運用期間が短くしても返戻率が高い個人年金保険に加入することができます。


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