401k加入企業が設定している「想定利回り」の意味や考え方

公開日:2015年1月23日

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確定拠出年金(401k)は企業年金制度として多くの企業が取り入れています。

企業型の確定拠出年金に加入している企業は、従業員への退職金として確定拠出年金制度を導入していますが、そのような企業は毎月の掛金に対して、想定利回りと言う運用で得られる利益率をかけて、結果として定年退職時に退職金として支払われる金額が準備できるように計算しています。

つまり、準備したい退職金(目標金額)の全額を企業が拠出してくれるわけではなく、企業が想定する運用の利益額を運用指図者である私たちが達成することで、はじめて企業の想定する退職金を手にすることができます。

そのため想定利回りを下回る運用の結果だと、企業の目標金額だけの退職金が受け取れないことになりますので注意が必要です。


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想定利回りとは

  • 想定利回りとは企業が設定する運用利回りの想定値
  • 想定利回りを高く設定すると掛金が少なくなる

想定利回りとは上述した通り、企業型の確定拠出年金を導入している企業が設定する運用利回りの想定値です。

企業は「これくらいは運用で増えるだろう」という想定利回りを設定して、目標金額から想定利回りで得られる運用の利益を差し引いて企業が拠出する金額を計算しています。

仮に勤続20年で300万円を退職金を確定拠出年金で準備しようとしている企業がある場合、単純に年数で割ると年間15万円が必要になりますが、運用の利益を差し引いて300万円を準備することになるので、想定利回りを高く設定するほど必要な掛金が少なくなります。

上記の例の場合、年間拠出額は想定利回りを2%とすると約12.1万円、2.5%とすると約11.5万円、3%とすると約10.9万円となります。

■20年で300万円を準備する場合の想定利回り別の年間拠出金額

  • 想定利回り2.0%:年間約12.1万円
  • 想定利回り2.5%:年間約11.5万円
  • 想定利回り3.0%:年間約10.9万円


想定利回りは低い方が従業員にとっては有利?

このように企業が同じ金額の退職金を準備しようとすると、想定利回りが低いほど拠出金額は多くなります。

通常の資産運用では利回りは高いほど有利ですので、感覚的に理解しづらいですが、従業員から見ると想定利回りが低いほど有利になります。

多くの企業では想定利回りを2%から2.5%に設定をしています。実際に運用をしてみるとわかりますが、年間に2%以上の利益を出すのはリスクをある程度とらないといけず、20年間の平均で2%を超える利回りを出すのは結構大変です。

想定利回りを下回ると企業の目標とする退職金を下回ることになります。

勤務先の企業が設定する退職金に必ず達しなければいけないというわけではありませんが、一つの参考指標となります。

企業型の確定拠出年金に加入している人は、自分の勤務先がどれくらいの想定利回りを設定しているのか、会社の総務部など確定拠出年金の担当部門に確認してみても良いと思います。

企業が設定した目標金額ではなく、自分が必要となる目標金額を設定して、その金額を達成するためにどれくらいの利回りが必要なのかを計算のも401kの運用の考え方としては重要です。

401kの運用方針の決め方や考え方は別の記事で紹介していますので、ぜひそちらの記事も参考にしてください。


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